「先頭はクラレントです。外から迫るサンレイレーザー。内から凄い勢いでジャスタウェイだ。クラレント先頭、クラレント先頭。内からジャスタウェイが迫る。サンレイレーザーが3番手。クラレントかジャスタウェイか。並んだ、並んだ、2頭馬体を併せてゴールイン!」と、実況中継のアナウンサーが絶叫!
エプソムCのゴール前での攻防は熾烈を極めました。私はサンレイレーザーが◎。ジャスタウェイが○、クラレント△印だったので、本当に手に力が入りました。
今年の「エプソムC」は安田記念を弾かれた馬4頭が参戦。クラレントにサンレイレーザー、タムロスカイ、ファイナルフォーム。それに休養明けは走るジャスタウェイの争いだろう。この中から勝ち馬が出る、と予測していました。
そして最大のキーポイントが強力な逃げ馬が不在。で、高速馬場となると最後方からの展開では無理だろう。ということで、好位置から競馬が出来る好枠1番のサンレイレーザーに◎。昨秋の毎日王冠で休養明けながらカレンブラックヒル相手にクビ差と迫ったジャスタウェイ。マーメイドSのアロマティコを振って福永騎手が騎乗してきていることも重視して○。そして昨秋の冨士Sで強烈な末脚を見せた東京は強いファイナルフォームが▲。という順に予想したのです。
スタートで何とジャスタウェイが大きな出遅れ。津村騎手が激しく手を動かしながらスズジュピターが主導権を取りに行きます。いつものように後方待機では勝てない、と考えたのでしょうか。引きつけた形を取らず、2番手以下の後続を引き離して逃げるという、ある意味で玉砕的な作戦。
これを読んだか岩田騎手のクラレントが労せずして2番手追走の正攻法。3角で馬の気分にまかせた感じでスイスイと行ったことから3番手以下が少し置いていかれます。この場面が結果的に大きなプラスに作用したと思われます。
好位置インをピッタリの我が◎サンレイレーザーのポジションも納得。その直後のインにファイナルフォーム。その真後ろにリルダヴァルがいて、その外をまわる形で1番人気のサトノアポロ。後方には内にジャスタウェイがセイウンジャガーズと共に追走。
4角で大きく離して逃げたスズジュピターを追って、クラレントが手応え十分に2番手から追い出しのカウントダウン。その外にアドマイヤタイシとインから浮上してきたサンレイレーザー。ドリームバスケット、タムロスカイは早くも手が動きます。
直線早目にスズジュピターを捉まえたクラレントを目標に、外に出したサンレイレーザーの藤岡康太騎手が並びかけようと懸命に手綱をしごきます。
そのときでした。後方にいたジャスタウェイが内ラチをすれすれに、猛然と追い込んできます。懸命に押し切らんとするクラレント。外のサンレイレーザーも必死に追い上げたのですが、内からグイグイ迫ったジャスタウェイと、クラレントの馬体がピッタリ合ったところがゴール。長い写真判定の末、頭の上げ下げでクラレントがきわどいハナ差勝ち。悔しがるジャスタウェイの福永騎手。岩田騎手が仕掛けをワンテンポ遅くしたら差し込まれていた可能性があります。まさに瞬時の岩田マジック。3着のサンレイレーザーも良く走りましたが、上位2頭とは力の差でしょうか。
ところで、上位3頭に、5着のファイナルフォームが4歳馬。6着以下が5歳、6歳以上で、ロードカナロアが優勝した安田記念の上位5頭がすべて5歳馬とは、一転した結果となりました。
と考えると、中距離戦線のGIは5歳、GⅢは4歳馬が狙い目、ということになるのでしょうか。いずれにしても、4歳と5歳馬が断然のようです。