


ついについにその日が来ました。昨年からあれだけ「今年は何とかGIを手にしたい。ほんとに勝ちたいんです」と、語っていた
戸崎圭太騎手。その
戸崎騎手に女神が舞い降りたのです。
牝馬マイル女王決定戦
「ヴィクトリアマイル」。昨年の
ヴィクトリアマイルの覇者ソダシ。昨年の
桜花賞、
オークスの2冠馬スターズオンアース。それら人気馬が参戦してきた中で
戸崎騎手が手綱を取ったのは
ソングライン。いわゆるテン乗りで初コンビ。
ソングラインは前走でサウジアラビアに遠征し無念の10着。とは言え、昨年は
安田記念で優勝。抜群の適応力を見せている東京のマイル戦。そのソングラインから
戸崎騎手にお鉢がまわって来ました。
戸崎騎手は「素晴らしい馬に依頼を受けて本当に光栄です」と、語っていたほどです。
主導権を取った1番枠の
ロータスランド。直後にサウンドビバーチェ。外からレーン
騎手が周りを見ながらソダシが浮上して来ました。
2番枠で雨を意識したスターズオンアースのルメール
騎手が、いつもより早めに位置を取りに来ました。そのスターズオンアースの直後にインにソングライン。一方で、人気の一角、ナ
ミュールは隣り合う馬に挟まれる形で位置取りを下げます。
ロータスランドがソダシを引き付けるように半マイルを46秒2。平均したペース。2番手をガッチリと2番手をキープ。そして、4コーナーで相手はソダシしかいない、とばかりルメール
騎手のスターズオンアースが、ジリジリとソダシの外で射程圏。

一方、ソングラインは「直線は外に出したかったけど、手応えが抜群に良かったから無理に外に出すよりも、そのまま内を選びました」と、
戸崎騎手。
ゴール前で先頭に躍り出たのがソダシ。それを追ってスターズオンアース。そのときでした。ソダシの内からソングラインが猛然と強襲。

ソダシかソングラインか、激しい叩き合い。ゴール前はアタマ差でソングラインに軍配。スターズオンアースが3着。大外から追い込んだ
ディヴィーナ、私の◎サウンドビバーチェが5着。ナ
ミュールは直線外から差を詰めて来たものの7着。

それは実に1年2ヵ月ぶりのGIの美酒。
戸崎騎手にとっては通算10勝目の記念すべきGI優勝でした。

こぼれるような満面笑み。何度も何度も右手を上げてファンに応える
戸崎騎手。念願がかなった記念すべきGI優勝でした。
