名手ルメール騎手に、ここまで読まれていたオークス!!

今年の「優駿牝馬」オークスは、圧倒的な支持を集めたソウルスターリングが、正攻法から抜け出し圧倒!見事に桜花賞の屈辱を晴らしました。 確かに、桜花賞でも1番人気だったように、同期の中では特出すべき1頭でした。とはいえ、そんな馬でも勝ち負けとは背中合わせ。

本番を前に、藤沢調教師などからアドバイスはあったのでしょうが、おそらく彼独特の競馬観で、今年のオークスを読んでいたような気がします。 これまで主導権を取って逃げまくっていた馬たちが全て脱落して、オークスのフタを開けたら強力な逃げ馬が不在。

「これはペースが遅くなる」ルメール騎手は感づいていたはずでした。当面の敵のアドマイヤミヤビ(2番人気)は16番枠。3番人気のリスグラシューも末脚温存で14番枠。桜花賞馬レーヌミノルも13番枠。この馬も無理に前に出てこないだろう、ルメール騎手はそう読んだと思われます。

「2番枠だからスタートだけ集中して行ければ、ベストなポジションで競馬が出来る、それは勝利の方程式だ!」ルメール騎手に迷いはなかったのです。

それは、まさに大正解でした。スタートを切り、内から押し出されるように先頭に立ったのが戸崎騎手のフローレスマジック。戸崎騎手は直前のフローラSで「前に馬がいなくとも折り合えることを確認できた」とコメント。本番のオークスで何も来なければ、主導権を取ってもいい、と考えていたはずでした。

ルメール騎手もこのことは承知の上。フローレスマジックが先頭に立った地点で、2番手。ミスパンテールが来ると素直に3番手で馬任せ。フローラSで先行して2着に頑張ったヤマカツグレースがようやく外から2、3番手に進出。

ソウルスターリングの真後ろに、またしてもフローラS同様に1番枠を引き当てたモズカッチャンが経済コースをピッタリ。

中団のインを追走するリスグラシュー。その後ろから外をまわるアドマイヤミヤビ。内にはディアドラがいます。

前半の5ハロン通過が61秒7。極上の馬場コンディション。予測したように超スローペースです。従って先頭から最後方グループまで一団の展開。こうなると好ポジションで経済コースを走った馬が良いことは、火を見るよりも明らか。

これを早めに察知したルメール騎手は、3コーナーで逃げるフローレスマジックに外から、「もっとペースを上げろ」と、催促するかのように馬体を併せて来ました。 直線を先頭でまわって来たフローレスマジックに、外から手綱を持ったままの抜群の手応えで、やや馬場の中央よりに出すソウルスターリング。すかさず内をすくってモズカッチャンが進出。

先頭のフローレスマジックはラストスパートに集中。それを外から捉えようと馬体を併せるソウルスターリング。そこへ内からモズカッチャンが急追。直線坂上では勢いから内のモズカッチャンが優勢か、と思えたのですが、どっこい、ソウルスターリングの二段掛けの切れ味は強烈でした。

坂を上がるとソウルスターリングがケタ違いの迫力で、内の2頭をアッサリと突き放し、横綱相撲で圧倒。C・ルメール騎手に取って、初めての牝馬クラシックの制覇となりました。

2着はソウルスターリングと叩き合いに敗れたモズカッチャン。経済コースをピッタリと走り、直線内から力強く伸びて来ました。

一方、後方から外をまわって、直線大外、真一文字に伸びたアドマイヤミヤビ。ラスト最速の33秒9の切れ味を披露。

切れ味と言えば、ラチ沿いからゴール前、猛然と追い上げたディアドラが4着。少し仕掛けが送れた印象がありましたが、確かな末脚はたいしたものです。

出負けしたリスグラシューは後方のインで展開。コース取りは良かったものの直線窮屈なポジション。伸び切れませんでした。主導権を取ったフローレスマジックが6着。2着から6着まで僅か0秒2差。

すべてに恵まれたとはいえ、ソウルスターリングがゴール前でモズカッチャンを突き放した強さ、まさにこれは本物です。

緩ペースと道悪が左右したヴィクトリアマイル(+o+)

前日の土曜日から東京競馬場は五月の雨に、しっぽりと濡れていました。それを意識して、出来るだけ直線は外に進路を取る馬がほとんど。そのせいかゴール前で外から一気に追い込んで来るケースが続いていました。

今年の「ヴィクトリアマイル」は、単勝1.9倍に推されたミッキークイーン。圧倒的な人気でした。

ところが、強力な逃げ馬が見あたらず、渋った馬場コンディション。末脚自慢のミッキークイーンは大丈夫なのか、という不安も私にはありました。

緩ペースで先頭から後方まで差がない一団の展開と推測。主導権を取ったのはソルヴェイグ。アスカビレン、リーサルウエポン、内からスマートレイアーが2、3番手で折り合いに専念。そのあとに外から引っ掛かり気味にレッツゴードンキが接近。直後にはジュールポレール、外にオートクレールがいて、その外をまわる形でミッキークイーン。

背後には内からクイーンズリング。外にデンコウアンジュで一番外をクリノラホール。アドマイヤリードはその後ろ。外に並んだウキヨノカゼ。ルージュバックは後方2番手。

前半が35秒6-47秒9。予想通りスロー。1000m通過が60秒1。そして先頭のソルヴェイグから後方まで、ぎゅっと詰まったような展開。こうなると外から一瞬ビューと使える決め手を持つ馬が有利。

4コーナーをまわり中団のインにいたクイーンズリングが、内から逃げるソルヴェイグ、スマートレイアーに迫ります。

馬場中央に出したソルヴェイグ。内から並びかけるスマートレイアー。その内にクイーンズリング。そのソルヴェイグとスマートレイアーの間に潜り込んで来たのがアドマイヤリード。その外にジュールポレールも接近。一番外からデンコウアンジュ。後ろが1番人気のミッキークイーンでした。

間を割ってアドマイヤリードが一気に抜け出す。そして外からグンと迫ったデンコウアンジュ。その内でしぶとく伸びるジュールポレール。内で頑張るスマートレイアーと、クイーンズリング。ソルヴェイグもいます。

とはいえ、力強く抜け出したアドマイヤリードが衰えることはなく快勝。追い込んだデンコウアンジュ、それに続いたジュールポレール、スマートレイアー、ソルヴェイグの順でゴールを通過しました。

1分33秒9の勝ちタイムは過去10年で最低のタイム。昨年のストレイトガールの1分31秒5と比較しても雲泥の差。それでもラスト33秒8の決着。いかにスローペースで直線だけの勝負だったことがわかります。加えて内と外では馬場コンディションの違いがあり、この結果は額面通り受け取ることはできません。

私が狙ったクイーンズリングは、仕方なくインコースを走らなければならなかったことが仇となりました。残念です。

ミッキークイーンは直線外をチョイスしたものの、すぐ後ろにいたデンコウアンジュに外から被せられると、それほど差は開かなかったもののほぼギブアップ。フラつきながら7着に入るのがやっとでした。

2番人気のルージュバックは後方から馬場中央を狙って接近したのですが、前がカベになり不本意な10着。また遅いペースに引っ掛かり気味だったレッゴードンキは11着でした。

スローペースと道悪。そして直線のコース取りが、大きく左右した今年のヴィクトリアマイルでした。