

それは腰を抜かすくらいの衝撃的
パフォーマンスでした。84回目を迎えた
「優駿牝馬」オークス。3歳牝馬2冠目を目指してフルゲートの18頭が参戦。
桜花賞で離れた最後方から時間が停止したかのような神業の追い込みを見せた
リバティアイランドが参戦。単勝1.4倍の圧倒的な支持率。初めての2400m、本当に大丈夫か、という思いを、あざ笑うかのような強烈な
パフォーマンス。見ていたファンの度肝を抜いたのです。
「
オークス」は理想的な5番枠を引き当て、
桜花賞とは一転した終始インの5、6番手の好位置をキープ。
リバティアイランドにとっては、
桜花賞とはまるで裏と表のような展開。そして、抜群の手応えで4コーナーをまわる
リバティアイランド。

先を行く唯一敗れた経験を持つ
ラヴェル(10番人気)の坂井
騎手が、インの3番手からここぞとばかり一気にスパート。後続を突き放したかのように見えたそのとき、さっと外から忍び寄って来たのが
リバティアイランド。
ラスト200mのハロン棒過ぎから、
鞍上の
川田騎手の手綱が初めて動きます。それは後続のどの馬たちも追いつかない別次元の11秒5。ケタ違いの迫力で、あっと言う間に並んで
ラヴェルを突き放しにかかります。

まさに独り舞台。それはあの女傑アーモンドアイ時計よりも速く、衝撃の6馬身差。まるで牡馬のような重厚感のある迫力。そして際立つ存在感。まさに戦後を代表する3歳牝馬の
パフォーマンスでした。

離れた2番手争いは大激戦。終始
リバティアイランドの背後を陣取り、機を窺っていたルメール
騎手のハーパー(2番人気)が順当に末脚を伸ばして2着。また、必死に内で粘らんとする4着
ラヴェルを、ゴール寸前で捉えたドゥーラが3着。
札幌2歳S優勝以来の頑張りでした。シンリョクカが5着で、6着の
ヒップホップソウルまでがハーパーから0秒3差。一団でどっと入って来ました。

3番人気のコナコーストが7着。5番人気のソーダズリングが8着で、4番人気の
フローラSの優勝馬
ゴールデンハインドは先手も取れず11着と惨敗。

余力を残して6馬身差のワンマンショーを演じた
リバティアイランド。牡馬並みの迫力と勝負強さ。それは戦後を代表する女傑かも知れません。そして、3冠目の
秋華賞を目指すのか、それとも渡仏して凱旋門賞か。日本馬唯一の凱旋門賞優勝があるか、大きな夢と期待が広がります。
