まさか、トールポピーが優勝するとは、せいぜい入着止まりだろうと考えていました。だからエイ! とばかりに無印。チューリップ賞で2着したときに、休養明けだったにしても口を割り引っ掛かる仕草。マイル戦でこの内容だから、東京の2,400mでは厳しいと判断したのです。しかも、直前の桜花賞で1番の人気ながら8着。マイナス10kの馬体重。オークス本番までに馬体を回復させることで、恐らく手一杯だろう、とみたのですが、結果的に本番のオークスはプラス2k。調整の甲斐があって少しでも回復したことはプラス。とはいえ、阪神JF優勝時に比較しても、まだ完全に馬体が復調したとはいえず、問題を残した状態でのオークス出走。
ところが、彼女を救ったのはなんと雨。土曜日夜からの雨は、翌日曜の朝も降り続いて、馬場状態はダート不良で芝が重。オークス時には馬場が、やや重に回復してきたとはいえ、ほとんどの馬が戸惑い、脚をとられて苦しんでいる状態。1番人気のリトルアマポーラに2番人気のレットアゲート、そして3番人気のソーマジック。想像以上に応えていたようです。
私の本命、ブラックエンブレムも馬場を意識したレース運び。スタートからシゴキ気味に仕掛けて先頭もうかがう勢い。このことが、最後の最後で響いてきました。結局3番手のイン。この位置では必然的に直線で早めに先頭に立たなくてはならなくなる、と考えたら、予測通り直線で早めに先頭。そこをめがけて外からエフティマイア、内からトールポピー、直後の内からレジネッタ。着差は頭・1馬身半・首差。松岡騎手は責められないのですが、乗り方ひとつでは微妙な着差だったように思います。
それにしても、勝ちタイムが2分28秒8、レースの上がり3ハロンが35秒7。やや重馬場だったにしても平凡。ちなみに、昨年のダイワスカーレット、ウオッカ抜きのオークスが、優勝ローブデコルテで2分25秒3。同じやや重馬場だった4年前のダイワエルシエーロが、2分27秒2で、ラスト35秒0。今年10着のムードインディゴまで1着から0秒8差。力が接近した3歳世代には違いがありません。レベル的にも昨年よりも低い世代のように思います。
また、トールポピーの直線の左斜め走りで、そのせいでレジネッタ、オディール、ソーマジック、マイネレーツェル、ハートオブクイーンが大きな不利。検量室前に戻ってきたトールポピー。一番最初に採決に呼ばれた池添騎手が、一転、みるみる顔面蒼白に。長い審議の結果、かろうじてセーフ。が、2日間の騎乗停止。見方によっては降着紙一重の判定だったことからも、なんとも後味の極めて悪い結果となってしまいました。おそらく良馬場であれば、色々な意味で、もっと厳しい判断がされたと思います。
雨が幸いしたトールポピーの優勝。と私は考えています。
雨がもたらした幸運と不運の差‥(T_T)
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