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秋のGIでマツリダゴッホに囁かれるある不安!


 札幌記念はレコード勝ちでした。4歳伏兵タスカータソルテの見事な差し切り勝ち。昨年の優勝馬フサイチパンドラが2分0秒1で、一昨年のあのアドマイヤムーンも2分0秒3。考えてみれば、ここ5年連続して2分台の決着。過去10年の最高タイムがエアグルーヴと、テイエムオーシャンの1分59秒5。よほどペースが速くなり、強力なオープン馬が出走してこない限り、1分58秒台は無理だろうという見方が、一般的な予測でした。
 ところが、札幌記念で主導権を取ったコンゴウリキシオー。札幌初見参ということもあったか、思い切った逃げ。グングン2番手以下を大きく引き離す逃走作戦。半マイル46秒4、1,000m通過が58秒4。明らかに前半は速い流れです。6F通過、7F、8Fと、ややスピードダウンしたものの、ラスト2Fが11秒6、11秒8とスピードアップ。これでは逃げ、先行馬は厳しい展開。コンゴウリキシオー、2番手のマンハッタンスカイにメイショウレガーロがともに失速。
 超スローで瞬発力の競馬を避けたかった、この日の1番人気マツリダゴッホにとっては、まさに願ってもない形の競馬だったはず。速いペースの我慢比べで「もらった!」と思った瞬間の差し込みでした。右回りは得意で、直線が長いコースより短いコース向き。距離は有馬記念の2,500mがベスト。
 ところが、昨年の札幌記念が1番人気で惨敗。秋の天皇賞も大惨敗。前走の香港も凡退。共通しているのは、いずれも芝2,000m。鬼門の2,000mでした。ここ5戦の3勝は、中山で2,200m、同じ中山の2,500m。ということは、今年も中山のオルカマーは抜けた強力候補で仁王立ち。
ということは、やはり今秋も東京2,000mは大いに問題あり。天皇賞はかなりの確率で苦戦という見方が出ています。加えて、未勝利の東京に、未勝利の左回り。2、3着もなし。そして、おそらくジャパンCも無理。で、またまた暮れの中山の有馬記念で快走! という図式を描いているのですが、どうでしょうか。
 優勝したタスカータソルテは、期待されていた馬がようやく手にした栄冠。天皇賞での快走が見られるかも知れません。ただ、日経賞6着、金鯱賞11着。ムラの多い出入りの激しい成績。課題を払拭、というところまでは解決していません。
 皐月賞1番人気、ダービー2番人気の3歳馬マイネルチャールズは、休養明けは走らないのか、今ひとつ成長がないのか、プラス12Kの馬体重は何を物語るのか、次走の内容を待ちたいところです。