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王者オルフェーヴルを差し切ったあの雷光のような末脚が再び京都で轟いた!!


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驚きました!もの凄い迫力でした。そいつはモノの違い、役者の違いを見せつけるような異次元の勢いで飛んできました。

トーセンラーです。それは天才と言われた武豊騎手のGI、100勝という記念すべきレースを優勝で祝福しなくてはならない、と言った使命感を背負っているかのような凄い形相で飛び込んできました。

第30回「マイルチャンピオンシップ」。昨年の優勝馬サダムパテックを加えたマイル巧者と自負する精鋭18頭が淀の舞台に顔を揃えました。

1番人気はマイル戦一筋に抜群の安定度を誇るダノンシャーク。これに続いたのが春の天皇賞でフェノーメノの2着し、マイル戦は初めてになるトーセンラー。そして安田記念こそ取りこぼしたものの1600mではキッチリ伸びてくるダイワマッジョーレが3番人気で続いていたのです。

私はトーセンラーにしようか、はたまたコパノリチャードにしようか迷ったのですが、結局、枠順を見て決めました。で、◎コパノリチャード。〇トーセンラー、▲ダイワマッジョーレという順番にしたのです。

そのコパノリチャードは前走のスワンSで歓喜の優勝。今回はマイル戦でしたが3戦3勝の京都であればチャンスは十分。しかも、リチャードは絶対に主導権を取りたいので、1番枠を引き当てたことがなんともラッキー。その1番枠も隣にサダムパテック、その隣がレッドオーヴァル、そしてダイワマッジョーレ、トーセンラーと差し追い込みタイプ。これならスタートが五分なら他が控えるので内から楽に主導権を取れる。仮柵をしたCコースでもあり、間違いなくコパノリチャードの単騎一人旅になる。私はそう読んだのです。ただし、あまり遅いスローだと後続が直後に接近しているので決め手のある馬に差し込まれるかも知れない。平均ペースで2番手以下が少し離れた展開を理想と考えていました。

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スタートです。内からコパノリチャードがポンと行きます。2番手にガルボ。そのときインからダイワマッジョーレが仕掛けて好位を占めに進出。結果的にこのダイワマッジョーレの判断が逃げるコパノリチャードにとっては厳しくなりました。逆にマッジョーレが2着に敗退したのも、この正攻法作戦だったと私は思います。

首をぐっと下げて気合満点で一人旅に出たコパノリチャード。前半の半マイルが46秒8で、1000m通過が58秒3。まさにコパノリチャードのペースでしたが、後続馬もこの流れでは比較的楽について行けました。

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2番手がガルボでその直後がダイワマッジョーレ。その外に4番人気のクラレント。リアルインパクト、サダムパテック、カレンブラックヒルが続きます。その直後にダノンシャークがイン。後方にはダークシャドウ、ドナウブルー、トーセンラーで、最後方にはサンレイレイザーが追走。

4コーナーを先頭でまわってきたコパノリチャード。それを追ってガルボ、クラレント。その直後から脚を伸ばそうとするダイワマッジョーレ。その外にリアルインパクトで、外に馬体を出したダノンシャーク。トーセンラーはまだ後方グループ。

浜中騎手が右手のステッキを入れて必死にゴールを目指すコパノリチャード。ガルボの内からラチ沿いをこじ開けてダイワマッジョーレが急接近。馬場中央から伸びるダノンシャーク。と、直線大外から後方にいたトーセンラーが猛然と追い込んできました。凄い脚です。ゴール前で先頭に立ったダイワマッジョーレを並ぶところなく抜き去って抜け出したトーセンラー。思わず武豊騎手がガッポーズ。

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コパノリチャードも良く頑張ったのですが、今回は4着がいっぱいでした。それでも3歳馬ながら1分33秒0、ラスト34秒7のタイムは拍手ものです。来年はもっと強くなりそうな気がします。

優勝したトーセンラーはラスト33秒3で見事な一気差し。あのオルフェーヴルを差し切った伝家の宝刀は、ピッカピカの状態で見事な切れ味を披露してくれました。このあとは有馬記念に駒を進めるのでしょうか。