福島の原発事故による苦悩が今なお福島県民、そして国民に多大なる影響が重くのしかかっている中にあって、未来を見据えたエネルギー、代替エネルギーが、日々、私たちの耳にするようになってきました。とりわけ自然エネルギーを熱望する声は、一段と大きく叫ばれるようになって来ています。
福島県沖の海上風力システム施設もそのひとつです。一方で最近とくに新聞やニュースで目に付くようになったのが太陽光を取り入れた太陽光発電、ソーラー発電です。ソーラーパネルを屋根やビルの屋上に設置。ふんだんに降り注ぐ太陽光熱をパネルで吸収。電力に変えるというものです。
で、実は東京競馬場にもこの太陽光発電のパネルが設置されたことをご存じですか。JRAでは「環境対応への取り組み」「光熱料の効率化」「遊休資産の有効活用」ということで、太陽光発電システムを導入。今年度は競馬学校にも東京競馬場同様に設置されました。
東京競馬場ではフジビュースタンド屋上部分に太陽光パネルを設置。4500㎡の広さで、太陽光パネルが1932枚もあるそうです。
発電出力は483kW。推定で年間発電量が50万kWh。これは一般家庭が使用する140万戸分に相当する電力量だそうです。
これら設置に要した金額が約1億4000万円。発電により年間2000万円くらいの収入が見込めることから10年間で相殺できることのようです。
東京競馬開催日やパークウインズとして年間約100日しか使用されていないこともあって、その有効活用性は飛躍的なものになりそうです。
いずれは中山競馬場も視野に入っているとのことですが、規制や法律を替えてでも何とか全国の競馬場に広がれば、世界的問題になっているCO²の削減にも大きく寄与できる意義があるのです。このことは中央、地方競馬問わず、競馬場のあるべき将来像につながることと私は考えます。
11月17日、日曜日の昼休み時間を利用して、東京競馬場のソーラーシステム見学会とあいなりました。東京競馬場の後藤総務課長の案内で、初めて競馬場の屋上に足を踏み入れたとたん、我ら有志一同、声を揃えて「ワオー!」と感動の表現。
屋上の一面に敷き詰められた銀色に輝く太陽光パネル群。眼下には競馬場近隣の紅葉が進む風景。向う正方面の多摩川に沿って見事な景観を醸し出している城山。そして遠くに臨む丹沢の山々。左手には新宿の高層ビル群。その傍には東京タワーに六本木ヒルズ。そして東京スカイツリー。時が経つのも忘れるほどでした。
移り行く自然の景観は素晴らしいものです。その自然を利用した太陽光発電システム。未来のあるべき姿として是非とも成功して欲しいものです。
また、フリーパスはできませんが、東京競馬場の穴場的スポットを発見したような、我ながら得した気分にもなりました。