最後方から直線勝負。ラスト32秒5という2歳馬では見たこともない神脚で3馬身差の独走。新潟2歳S優勝のハープスターは10年に1度の逸材!ウオッカを上回る大器と、最大級を形容する言葉が躍ります。来年のダービーにも登録を済ませたとか。そういった噂の大物に株価も急上昇。1.7倍というダントツの人気に支持されたのです。
今年の阪神ジュベナイルFはこのハープスターがどんな競馬で優勝するのか、再びあの豪脚がさく裂するシーンを見たいという多くのファンが、ゴール板前のスタンドに集結し、固唾をのんで見つめていました。
ただし、ハープスターにとっては休養明けに加えて、初めての右回り。直線で坂のある阪神コース。大きな課題も残されていたのです。
私はそのところを重視。で、◎に指名したのがレッドリヴェール。8月の札幌2歳S以来、3ヶ月ぶりの実戦でしたが420K台の小造り。仕上がり早やのタイプと判断。実際、阪神ジュベナイルFはマイナス8Kの418K。これ以上ない仕上がりだったのです。しかも、この小造りの体で、あの極端な不良馬場になった札幌2歳Sで、牡馬陣を相手にパワーでネジ伏せたのですから、それはある種、衝撃的した。この馬のバネ、そして勝負強さは凄い!2歳戦のGIを制するには、こういった卓越した勝負強さが必要だ、と考えたのです。阪神のマイル戦では6月のデビュー戦で余力を残しラスト33秒3。最後方から強烈な脚を使って伸びてくるハープスターを破るのは、この根性娘レッドリヴェールしか思い浮かびませんでした。
さて、注目のスタートです。スタートを決めて正攻法の作戦を取りたい3戦3勝のホウライアキコが大外18番枠。開幕2週目で大外枠は明らかに不利。函館2歳S優勝のクリスマスが主導権かな、と考えていたら、なんとこれがスタートでダッシュがつかず最後方グループ。抜群のスタートを決めたニホンピロアンバーが飛び出して、内からメイショウアサツユ。外からダイヤモンドハイが果敢に出てきます。これを追ってスイートガーデン。そして外からじんわりとホウライアキコ。内からフォーエバーモア。その後ろにはレッドリヴェール。それを見るようにマーブルカテドラル。後方グループには内にレーヴデトワールと、出遅れたマジックタイム。そしてハープスター。その後ろにクリスマスという形。
前半の3ハロンが34秒2。昨年が34秒1で新しい阪神コースになってから2番目に速い流れ。ニホンピロアンバーと2番手のダイヤモンドハイが2頭で3番手以下を離して引っ張ります。4番手にホウライアキコその後ろにフォーエバーモア。中団のインにレッドリヴェールがいて、外には馬体を併せてマーブルカテドラル。レーヴデトワールが後方グループの内にいて、その直後にはハープスター。さらに後ろにはクリスマスが追走。
4角でここが勝負どころとばかり先頭の2頭がラストスパートをかけますが、後続との脚勢の違いは歴然。直線でホウライアキコが先頭に並びかけ抜け出したのですが、フォーエバーモアが急接近。今度はホウライアキコを捉えて一気に先頭。一目散にゴールを目指します。
ハープスターはまだ馬群の後方。外に出す余裕がありません。中団から外に出せたレッドリヴェールがグイグイと外から肉薄。フォーエバーモアに追いつきました。と、そのとき馬込みの真っただ中を、もの凄い脚でハープスターが強襲。3頭の争いの真ん中に割り込んできました。ゴール寸前で中のハープスターの末脚が出たようにも見えたのですが、外の根性娘レッドリヴェールが戸崎騎手の回転ステッキに反応。差し返してハナ差競り勝って優勝。見事な3連勝劇でした。戸崎騎手はJRA入りしてから初めてのGI制覇。本当におめでとうございました。アルゼンチン共和国杯のアスカクリチャン同様、私は戸崎騎手と抜群に相性がいいようです。
敗れたハープスターにとっては初めての右回り。加えて新馬、新潟2歳Sとスローペースしか経験がないこの馬には、休養明けということも合わせて、厳しい条件だったようです。それでもハナ差。直線の長い東京でダービー出走となると、牡馬相手でも大いに楽しみな1頭であることには違いがありません。
また、出負けから4着に追い込んで来たクリスマス。普通に出た場合に前に行ってしまうのか、あるいは控えても折り合いがつくのかどうか、次のレースが注目されます。
いずれにしても、直線の激しい女の子のデッドヒート。実に見応えがありました。やはり、勝負強さが一番です。
単勝1460円、馬単4250円。私の◎〇△で3連複が6220円、3連単が4万2130円はラッキーな配当でした。
感激の◎〇決着!阪神ジュベナイルFでモノを言った“勝負強さ”という宝刀!!