天皇賞(秋)は、まさに歴史的決着となりました。最後の力を振り絞って、二枚腰を見せるダイワスカーレット。その外からダービー馬ディープスカイ。そして、そのまた外にウオッカ。インコースを巧みに追い上げてきたカンパニー。ゴールでは盛り返したダイワスカーレットとウオッカが、内、外とはいえピッタリと馬体を並べてフィニッシュ。さあ、どっちが勝ったのか。スカーレットかウオッカか。ターフビジョンに映し出される映像から、まさにピタリと合体した鼻先。場内からはため息と、2分弱の感動に酔ったざわめき。
そのとき、検量室前の映像がターフビジョンに映し出されました。ウオッカよりも早く戻ったダイワスカーレットが、1着馬が入るゲートにイン。関係者と満面笑みで握手を交わす安藤騎手が大きく映し出されたのです。
そのとき、それを見た報道席からは「ああ、ダイワスカーレットか!」という声。私もその映像を見て、ウオッカは届かなかったのか、という思いにかられました。繰り返し流されるレース映像を見ても、どちらかわからない微妙な写真判定。
「さすが安藤騎手ともなると、かなり微妙な判定でもわかるんだな~・・」と感心したものの、実は平成7年の春の天皇賞で、ライスシャワーが優勝したときに、鋭く追い込んだステージチャンプ蛯名騎手は、右手の拳を高く上げてガッツポーズしてアピールしたのですが、結局、鼻差2着。
或いは、平成11年の有馬記念でグラスワンダーが優勝。そのとき競り勝ったと思ったスペシャルウィークの騎手がガッツポーズ。結果は惜しくも鼻差2着。そのときのジョッキーが誰であろう武豊騎手。勝った気もする、とのはやる気持ちをじっと抑えていたウオッカの武豊騎手。それは、あのときの有馬記念のことがあったからかも知れません。
いずれにしても、桜花賞、秋華賞、有馬記念とダイワスカーレットに負け続けていたウオッカ。宿敵、打倒スカーレットの夢が叶いました。それでも、春の大阪杯以来の実戦で古馬最高峰のGI天皇賞で、レコード決着の鼻差2着。負けて強し、ダイワスカーレットの地力の高さを、再認識させられた天皇賞でもありました。
このあとスカーレットは予定通りならば有馬記念。レコードの反動が出なければいいな・・と思います。
「鼻差」という名勝負! これがザ・競馬! でも、あの騎手の早とちり握手映像はまずいぞー!!
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