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今年の競馬の歴史を変えるかも知れない衝撃的な中山記念「J」という馬!


 冷たい小雨が降り続く中山競馬場。レースを追うごとに馬場コンディションが悪化。その中で行われた伝統の中山記念。内回りの芝1800m。圧倒的に先行馬が有利な舞台設定でした。

 当然のように1番人気は逃げるトウケイヘイロー。昨年は鳴尾記念から函館記念、そして6馬身差の独走劇を演じた札幌記念。秋の天皇賞では2番人気。夏の疲れが出たのか結果は10着でしたが、立て直した暮れの香港Cで2着。復活走を見せました。

 中山芝1800m、単騎逃げ、しかも、楽勝だった札幌記念と同様に道悪馬場。主役は間違いなく武豊・トウケイヘイローでした。

 対して2番人気に推されたのがジャスタウェイ。この馬も昨年大きな飛躍を遂げた馬でした。それは秋の天皇賞。後方待機から直線勝負で、あの女傑ジェンティルドンナを4馬身もちぎり捨てるワンサイドレース。それは3歳春のアーリントンC以来、実に1年半ぶりの美酒。この一戦はジャスタウェイ関係者にとって大きな自信に繋がったはずでした。

 トウケイヘイローの逃げか、差すジャスタウェイか。それとも皐月賞をレコード勝ちのロゴタイプ(3番人気)か。今年の古馬戦線を占う上で、おおきなターニングポイント的な一戦が今回の中山記念だったのです。この3頭とも休養明け。

 そんな状況下の中で、スタートが切られました。ところが、その瞬間!スタンドから驚きと悲鳴が上がりました。私も目を疑いました。

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 1番人気のトウケイヘイローが出遅れてしまったのです。ポツンと最後方に取り残されてしまったトウケイヘイロー。

 逃げる主役を失ってしまい内からダイワファルコンが押し出されるように先頭。その外に何故か追い込みのアユサン。ここで、もっと驚くべき事態は、内枠のジャスタウェイがなんとコーナーを利用して3番手に進出。

 「スタートに気をつけて、中山1800のセオリー通りに前に行きました」と横山典騎手。これで流れに乗ったジャスタウェイはインで、じっとして末脚を温存。直線勝負に賭けたのでした。

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 一方、出遅れたトウケイヘイローは1コーナーで外に出し、外からグングン上昇。2コーナーでは先頭に立っていました。前半の6ハロンが37秒3。稍重馬場でもかなりのスローペース。2番手のダイワファルコン。外から進出したマイネルラクリマ。直後にジャスタウェイ。その真後ろにロゴタイプ、またその直後にアルキメデスがインにピッタリと張り付いています。どうもインの柵際は比較的コンディションがいいようです。

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 快調に逃げ脚を伸ばすトウケイヘイロー。4コーナーで少し外に出したダイワファルコンの内からロゴタイプが仕掛けて並んできました。直線外からマイネルラクリマ。大外にはエアソミュール。そんな中で最内をつくジャスタウェイ。逃げるトウケイヘイローの窮屈なインから割って出ると、驚きの破壊力で一気に突き抜けて、あっという間に1馬身、2馬身3馬身と、後続を突き放していきます。

 完全に2着争いで、そんな中でロゴタイプと、ゴール寸前で割るように伸びてきたアルキメデス、外のマイネルラクリマの激しい攻防。3頭が並んでゴールイン。

 結果はアルキメデスがハナ差先着で2着。3着がロゴタイプ。首差遅れてマイネルラクリマ。

 トウケイヘイローは無念の6着。有馬記念で見せ場を作ったカレンミロティックがブービーの14着。道悪馬場が応えたようで見せ場すらありませんでした。また、中山では有馬記念以外、必ず連対していたナカヤマナイトが13着。レース中に何度かバランスを崩すようなしぐさ。競馬になりませんでした。

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 いずれにしても、3馬身半差の独走劇を演じたジャスタウェイ。本来は良馬場で自慢の破壊力がフル回転すると思われますが、中山記念では新たな1面を見せたことで、多くの可能性が広がることになりました。

 福永騎手のピンチヒッターで、見事なプレーを演じた横山典騎手。

 「いやあ、驚いたよ。あの直線の苦しい位置から馬が強いと平気で出てくるんだね」とビックリしていました。

 ジャスタウェイはこのあとドバイに参戦。またどんな快走を見せるのか、今年の古馬戦線の主役に躍り出て来ました。008