驚きました。混戦の様相の「中山牝馬S」で、なんとビックリしたことに1番人気が優勝したのです。実に8年ぶりの快挙!
思えばこの7年間は1番人気馬が総崩れ。優勝圏内に入ってこないのです。従って2着もなし。昨年、ようやく1番人気のオールザットジャズが3着に食い込んできて、馬券の対象6年間のゼロ行進から免れたのでした。
そんないわくつきの一戦で、かつ有力馬の力関係が微妙。しかも、現在中山の馬場コンディションが天候の関係で近年になく悪く、1番人気はいらない!お願いだから1番人気はヤメテくれー!1番人気?そんな縁起でもない!と、各きゅう舎関係者からは嫌われる始末。
そんなこんなで、1番人気は3頭がクルクルと激しいトップ争い。結局、同じ4.5倍のオッズでフーラブライトとエクセラントカーヴがつば迫り合いとなり、複勝も対象に加えて、フーラブライトが1番人気に決定。
そのフーラブライトが見事に栄冠を手にしたのでした。中団の外目で追走して、直線は大外からグイグイと接近。坂を上がって一気に突き抜けました。暮れの愛知杯で初重賞制覇。その勢いで牡馬相手の日経新春杯に挑戦。惜しくもサトノノブレスの3着でしたが、地力を付けてきていることを印象づけました。展開、ポジションと恵まれた面はあったにしても、ここへきてメキメキ地力を付けてきていることは確かです。
それにしても、勝ちタイムが芝1800mで1分48秒5、レースの上り3Fが36秒1と、まるで条件クラス並みの時計。こういうことを予測して、私は◎をケイアイエレガントに打ったのでした。
「競馬道OnLine」や「アベコーの大予想」で書き、そして、無料動画サイト「スマート競馬カレッジ」でも発表しましたが、ヒントは直前の東京、準オープン節分Sの圧勝劇。主導権を取ってマイル1分34秒0で、ラストが余裕を残し33秒4の再加速。まさに重賞級のレベルだったのです。しかも、このときは9月の中山以来の実戦で、馬体重が14K増。この一戦にしびれました。
確かに今回の中山牝馬Sは逃げ馬がどっと参戦。東京のように単騎逃げは望めないこともあったのですが、ケイアイエレガント自身は過去に追い込んで好走したこともあり、流れが速ければ折り合いはつくと考えたのです。それよりなにより13番枠という、やや外目の枠を引き当てたことが幸いでした。外から被せられること極端に嫌うタイプで、吉田豊騎手も以前からそのことを指摘。14、15、16番枠に同型がいないことも幸運。で、◎をズバッと打ったわけです。
レースは案の定、エディン、セキショウが前に出ます。外からじんわりとケイアイエレガント。3番手にセキショウが下げ、クラウンロゼ、サンシャイン。その外にキャトルフィーユ。中団の内にエクセラントカーヴ。フーラブライトはそれをマークするように中団の外目。内のノーブルジェリーは頭を上げたりして窮屈な走り。後方には3番人気のアロマティコ。
エディンの外で我慢するケイアイエレガント。外目の好位にキャトルフィーユがいて、その真後ろにエクセラントカーヴがピタリ。そのまた真後ろにはフーラブライトが虎視眈々。
半マイルが48秒2、1000m通過は60秒4と、時計を要する馬場にしては、やや早めのペース。4角で逃げるエディンに並びかけたケイアイエレガント。その外からキャトルフィーユ、エクセラントカーヴが接近。直線外に出すフーラブライト。
直線で一気に先頭に立ったケイアイエレガントが、節分Sと同じように二枚腰で突き放しにかかります。ここでエクセラントカーヴがもたついて遅れ始めます。そこをキャトルフィーユ、その外からフーラブライト。勢いは断然フーラブライト。ゴール前で一気に捉えます。2着争いはなんとかケイアイエレガントが、しぶとく伸びるキャトルフィーユを僅かに振り切ったかのようにも見えたのですが、半定はなんとも悔しい2着同着。
まあ、それでも10番人気ながら久しぶりの1800mで、よく頑張ってくれました。ケイアイエレガントには感謝感謝です。
人気を分けたエクセラントカーヴは10着。もともと馬格(432K)のない馬で、こういったボコボコ馬場の中山は向かないような気もします。