ラストランとは、ある種、強力な応援隊を得て走るようなものです。日経新春杯で3馬身半差、見事な逃げ切り勝ちを決めたテイエムプリュキア。今回の日経新春杯がラストランでした。3年前の阪神ジュベナイルF優勝以来の勝ち星。
しかも、昨年3月の中京記念から7戦、16・14・15・12・4・13・18着。出れば大敗に、きゅう舎、オーナーとも力の限界を感じて引退を決断したのでしょう。それゆえ、今回の日経新春杯で単騎逃げはわかっていたとしても、各騎手は「だまっていてもバテる。無理に追いかけてはだめだ」との思いがあったはず。
考えてみれば、昨秋のアルゼンチン共和国杯で、セタガヤフラッグと2頭で、後続を大きく離して先行。このためセタガヤフラッグは14着に敗退。ところが、ところが、テイエムプリュキアは49Kの軽ハンデもあり、しぶとくしぶとく粘り込んで、1番人気のアルナスラインもテイエムプリキュアを捉まえるのにやっとの3着。また、昨年の日経新春杯でアドマイヤモナーク、ダークメッセージに続く際どい3着。一息も二息も入れられる長い距離で、伸び伸び走らせると、予想以上の粘り腰を見せる馬であったのです。
おそらく、きゅう舎サイドもこの馬の良さが生きるベストの条件を掴んだはずですが、既にラストランのあと。う~む、ダイヤモンドSに出て欲しかった馬です。
それにしても、有馬記念で2着したアドマイヤモナークが、準OPを勝ってきたヒカルカザブエに1番人気を明け渡し、あげくのはてに大敗続きの馬に、チギられてしまう(5着)現実を見て、情けなくなりました。川田騎手の消極さにも問題がありましたが、それ以上にきゅう舎サイドは何故に、きちっと仕上げられなかったのでしょうか。馬体重が有馬記念に比べてプラス16K。明らかに調整不十分ととられても、おかしくはなかったのです。
あのハーツクライやディープインパクトよりも速い2分31秒8で走り、その激走の疲れを癒すために、中2週という臨戦過程で、多少なりとも手加減の調整になったとしたら、ファンにとっては残念な話です。
有馬記念であれだけ走ったのだから、ここは春の天皇賞を目指して、じっくり仕上げていこう。まずは有馬記念の疲れを癒す為に、少しのんびりさせよう、という慎重さがあっても不思議はないはずでした。昨年のケースであれば、この後、圧勝したダイヤモンドSということになるのですが、8歳馬、なんとか奮起を期待したいものです。
情けない?! 有馬記念2着馬が愛知杯シンガリ馬にチギられてしまうとは・・いったい何があったのか!
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