秋華賞トライアル「ローズS」は絶好の好天のもと阪神競馬場で行われました。今年は稀代の女王ハープスターが、古馬の王者ゴールドシップを札幌記念で一蹴。向かうは当初の予定通り世界のホースマンの夢。最高峰の凱旋門賞。
従って、今年の3歳牝馬秋の陣はハープスターが不在のGI戦線。オークス馬ヌーヴォレコルト、阪神ジュベナイルF優勝のレッドリヴェール。ともにハープスターを破った2頭のマッチレース的色合いの強い一戦でした。
で、結局は1番人気がレッドリヴェール。続いてヌーヴォレコルト。2.2倍対2.5倍でした。
関東から輸送されたヌーヴォレコルトはマイナス6Kの438K。一方、レッドリヴェールはプラス10K増の体重。私には次なる本番を見据えたようなレッドリヴェールの造りのようにも見えたのです。
強力な逃げ馬が不在で、外から飛び出して行ったのがリラヴァティ。2番手にダンツキャンサー。アドマイヤビジンが3番手で、内にはガッシリと手綱を引いたヌーヴォレコルト。その直後にプランネージュがいて、内をピッタリにヒルノマテーラ。その後にレッドリヴェールがいて、多少かかり気味に追走。
3番人気のサングレアルはスタートで出負けして最後方の位置取り。同じようにダッシュがつかなかったアドマイヤシーマも最後方グループ。その前には経済コースをタガノエトワールが虎視眈々と追走。
前半が35秒1-47秒3―59秒8。この極上の馬場状態で芝1800mでは、明らかにスロー。好位置インで立ち回るヌーヴォレコルトにとっては、まさにおあつらえの展開です。ピッタリと経済コースを通り、直線ラストスパートを仕掛けたリラヴァティを難なく捉えて、あっという間に抜け出すと、外から迫って来るはずのレッドリヴェールを待ったのですが、直後にいないことを確認して、それならと左ステッキを入れ、そのまま一気にゴールを目指します。
4角で中団に進出したタガノエトワールが、ラチ沿いの最内からグイグイと伸びて来ました。それを追ってヒルノマテーラも出走権奪取を目標に田中勝騎手が懸命の追撃。レッドリヴェールの福永騎手も前を追ったのですが、あの凄い切れ味が使えず伸びがありません。
ラスト34秒2の争いでは好位置で立ち回ったヌーヴォレコルトが、圧倒的に有利で完勝でした。
内から鋭く追い上げたタガノエトワールは前走9月の小倉で未勝利戦を勝ち上がったばかりとは思えない迫力で2着。スローで一人旅を演じたリラヴァティが3着。秋華賞出走権を獲得しました。
私が推したヒルノマテーラはカッチー騎乗で懸命に追い上げたのですがそこが運命のゴール。ラスト33秒8の末脚。なんとももったいない着差でした。