fbpx

毎日王冠からウオッカのピークは過ぎた! 忍び寄る能力減退という説!!


 単勝人気1・3倍。負けられない不動の1番人気に推されたご存知、女傑・ウオッカ。東京コース専用のシフトで、今秋も毎日王冠から発進。ここから天皇賞、ジャパンCへと駒を進める予定で、まず仕上げに狂いはない、と思われたのですが、それがまさかの敗退。カンパニーに中団からラスト33秒0の脚を使われて、見事に差し切られる完敗。
 「他に行く馬がいなかったから自然と逃げる形になった」とウオッカの武豊騎手。これはこれで間違いではなかったはずです。前半5ハロン通過が60秒ジャスト。開幕週の芝1,800mで、古馬陣を代表するウオッカが出て、この流れは超スローと言ってもいいペース。それゆえ、楽々、主導権を取り、きっちりと経済コースを走ってきたウオッカの勝利を、スタンドのファンは疑わなかったはずでした。
 しかしながら、昨年の毎日王冠も同じようなペースで逃げたウオッカが、スーパーホーネットに、頭だけ差し込まれて2着。昨年はこのあと天皇賞で、同期でライバルのダイワスカーレットと鼻差の歴史的大激戦。見事に栄光の盾を手にしたのですが、同じ毎日王冠2着でも昨年と今年では、その中身が異なるのです。
 というのも、まずタイム差が違いすぎます。昨年は1分44秒6で、ラストが33秒8。今年は1分45秒5で、ラストが33秒8。約1秒も今年のほうが遅いのです。
一方で、優勝したカンパニーは1分45秒3で、ラストが33秒0。昨年のカンパニーは1分45秒1で、ラスト33秒2。時計的にも昨年と同じレベルで走っているのです。8歳馬が過去10年で優勝はおろか連対もなし。
 同様に3着に2年前の、鳴尾記念で優勝し、以後、1度も馬券の対象になっていなかった8歳馬ハイアーゲーム。今回もブービー人気で5着も無理と、思われていたのですが衝撃の3着力走。つまり、ウオッカはこれら8歳馬の間に入って2着。このことを踏まえて、ウオッカを考えるときに、誰かが言っていた“能力減退説”が、ことさら信憑性を増してきます。となると、来る3週後の天皇賞は…。全幅の信頼の置けない1番人気馬になる可能性もあります。
 私は、今回の毎日王冠でナムラクレセント◎を打ちました。ここ2連勝の内容がすこぶる良いこと。昨秋の菊花賞3着、阪神大賞典3着の実績。そのときよりも、はるかに充実して、6、7月の充電がうまく実を結んだことに、目を細めていました。大きなスライドから繰り出すパワーは、良馬場の東京でフルに生きると推測して本命でした。
 ところが、小牧太騎手は大きな失敗をしたのです。ウオッカの2番手でガッチリとマーク。これはこれでいいとしても、大事に乗りすぎるあまり、後続がどっと押し寄せてからヨーイドン。ナムラクレセントは大とびで全開までに、他の馬よりもいくらか時間的にズレがあり、反応が遅くなってしまうのです。それゆえ、またゴール前で盛り返してハイアーゲームを捉えそうな勢いで4着。直線に入ったらウオッカに並びかけ、抜き去る強気の気持ちに出ないと、最高のパフォーマンスは見せられなかった、と考えています。このあたりの長短所は、小牧太騎手も理解していたと思っていたのですが…。距離が延びたほうがいいタイプで、距離延長の天皇賞はいいはずです。ただし、今回の4着で賞金加算ができず、天皇賞出走がかなり微妙になってしまいました。