高速決着でインを強襲した岩田Jがゴール前の離れ業!!
絶好の好天に恵まれた京都競馬場。この日は秋のマイル王決定戦、31回「マイルチャンピオンシップ」が、芝1600mに17頭が集結しました。 3歳馬ミッキーアイルにとって初めての古馬相手のGI。それでも、京都は3戦3勝とファンはその潜在的なスピードを支持して1番人気。 ところが、15番枠という外枠。仮に主導権をとったとしても、NHKマイルCではゴール前が大接戦。2番手追走したホウライアキコが5着で、ミッキーアイルと、わずか0秒1差。その内容から古馬相手の今回はかなり厳しいだろうと私は推察。 2番人気のトーセンラーは昨年の優勝馬ですが、当時の5歳時の勢いがどうしても感じられませんでした。 そこで、私はワールドエースに胸をときめかせていました。なんといっても、春のマイラーズCで長期休養明け2戦目ながら、なんと好位からアッサリ抜け出してフィエロ以下を圧倒。1分31秒4のレコードで駆け抜けた内容が決め手でした。前走の毎日王冠は出遅れ、直線のロスと不利が重なったことが敗因と考えた私は、毎日王冠の13着で人気が下がるだろうし、これは妙味と、ほくそ笑んでいたのでした。 で、マイルCSは様々な思いを背負いながらスタートを切りました。注目のミッキーアイルが好スタート。ところが、最内から強引に主導権を奪いに出たのがホウライアキコ。何が何でも行くぞ!という気配にミッキーアイルの浜中騎手は2番手で妥協。 外からサンレイレーザー、内枠のグランデッツァ、ダイワマッジョーレも好位置に押し上げてきました。中団のインにはフィエロ。外にロゴタイプがいます。 そしてレッドアリオンの後ろにスタートで出遅れたワールドエースが、引っ掛かり気味に上がってきました。同じ位置にはダノンシャーク。落ち着きがあり気持ちよく内を追走しています。その後ろに外にグランプリボス、内にエキストラエンド。トーセンラーはその直後のイン。エクセラントカーヴは最後方。 ホウライアキコの逃げで前半の3ハロンが33秒7、半マイルが45秒3と厳しい流れで流れて行きます。 勝負どころの4コーナーでミッキーアイルがスパート。グランデッツァ、サンレイレーザー、ダイワマッジョーレが続きます。そのとき先行馬の直後に迫っていたフィエロが抜群の手応えで迫って来ました。そして、ミッキーアイルをフィエロが一気に仕掛けて、あっという間に並びかけると、容赦なく突き放しにかかります。外から伸びてきたのがグランデッツァ。 と、そのときでした。内から迫っていたダノンシャークが、岩田騎手のアクションに応えて肉薄。進路を最内に取るとそこから爆発的な末脚でフィエロに内から並びかけて先頭。ところがフィエロもここから勝負強さを発揮して、再び先頭を奪い返しにかかります。ゴール前は2頭の激しいデッドヒート。3番手のグランデッツァが少し遅れます。 両馬の争いはゴールに入るまで続き2頭がピッタリ並んでゴールイン。写真判定はダノンシャークがハナ差勝ち。昨年3着(福永騎手騎乗)の雪辱を、岩田騎手で成し遂げました。 岩田騎手はゴールに入る寸前で、自分の持っている手綱を前に出す瞬間に、一瞬、離したようにも見えます。競走馬のアクションを利用して、手綱を緩めるように離すと、反動でグンと前に出るのですが、かなり高等テクニック。あのシャダイカグラの武豊騎手、その父の邦彦師がロングエースで、ここ一番、同じように披露したことがありました。岩田騎手ならではの高等技術。見事でした。 3着にグランデッツァ。トーセンラーが4着。注目していたワールドエースは8着。勝ち馬から0秒6差。3着と0秒4差。スタートの出負け、一気に巻き返そうと仕掛けたぶん引っ掛かり気味になったこと。直線のゴチャついたところに入る不利。あまりにもブドー騎手の甘さにガッカリ。そんな今年のマイルチャンピオンシップでした。
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