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アタマ・ハナ・クビ・クビ差の大激戦!クラシックは・・。


004 3年前のジェンティルドンナ、昨年のミッキーアイル。多くのGI馬を排出した注目の「シンザン記念」。今年の顔ぶれの中にクラシック馬は、GI馬はいるのか、競馬ファン衆目の一戦でした。

人気の中心は11月の東京のデビュー戦を圧勝したダッシングブレイズ。強烈なラスト33秒2で独走劇。Cデムーロ騎手を迎えて、同じマイル戦で再びその破壊力が発揮されるかも知れない、多くの競馬ファンはそう考えたようでした。私もこの馬の一瞬の脚はGI級と推察。ただ、大きなフットワークで初めての右回り。この点が少し気がかりだったのです。

001002005 主導権を取ったのがレンイングランド。強力に競り込んで来る馬が見当たらないとあって、先手を取ったレンイングランドは、願ってもないスローペースに持ち込めたのです。

前半3ハロンが35秒7、過去10年で2番目に遅いペース。この楽なペースにクインズロンペール、ノースストーム、サトノフラムと、内枠の馬が前に出て展開します。

中団にはメイショウマサカゼ、ヤマニンマンドールが追走。後方にはグァンチャーレ、その後ろにダッシングブレイズ、直後にロードフェリーチェが続きます。好スタートを決めたナヴィオンが意識的か最後方まで下がります。

そして、勝負どころの4角にさしかかっても逃げたレンイングランドは依然として快調な逃げ脚。ヤマニンマンドールが3番手のノースストームの外に馬体を併せに来ました。中団の外から武豊騎手のグァンチャーレが進撃開始。後方の人気3頭もお互いを牽制しながら徐々に進出態勢ですが、まだ手綱はほとんど動いていません。

1000m通過が60秒1だったスローの流れが、ガラリと一転して残り3Fで俄然ペースがアップ。結果的にラスト11秒5-11秒5-11秒7の争いとなりました。

必死にラチ沿いを逃げ込まんとするレンイングランド。4角で中団外に上がったグァンチャーレが直線外から一気に脚を伸ばしてレンイングランドに迫ります。ようやく後方待機の3頭がエンジン全開。大外をまわったダッシングブレイズ。その内にはロードフェリーチェ、ナヴィオンも馬込みの間を衝こうと狙っている様子。

006 懸命に逃げ込まんとするレンイングランドに、外から一気に抜こうとするグァンチャーレ。後続馬との距離から一見、この2頭の争いのようにも見えたのですが、ナヴィオンとその外のロードフェリーチェが猛然と迫ります。さらに4角で大外をまわったダッシングブレイズが、ラスト100mでようやく尻に火が付いたかのように強烈な末脚でグングン迫って来ました。

007 ゴール寸前でレンイングランドを捉えたグァンチャーレ。その外からナヴィオン、その外のロードフェリーチェが強襲。そしてコースロスがあったダッシングブレイズがグングン接近。ゴールでは内からグァンチャーレ、その外にナヴィオンがいて、その外にロードフェリーチェ、大外からはダッシングブレイズが一気に肉薄。最内で頑張ったレンイングランドも微差。

結局、後続の強襲をからくも振り切ったグァンチャーレが優勝。2着にロードフェリーチェがアタマ差で続き、内に併せたナヴィオンがハナ差3着。一番外から追い込んだダッシングブレイズがクビ差で4着。

5着のレンイングランドまで“0秒1差”の大接戦。時計が1分34秒8、昨年のミッキーアイルよりも1秒も遅いタイム。ラスト3ハロンもミッキーが34秒1に対して34秒7。この差をどうみるかですが、やや前評判とは違ってモノ足りなさが残ったシンザン記念となりました。

008 003 ただし、ゴール前200mくらいしか本気で走っていなかったようにも見えたダッシングブレイズ。今回は初めての右回りということで、次開催、東京の共同通信杯を目指してくるかも知れません。