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メジロパーマー23歳!18年ぶりの新潟競馬場で闘志満々の姿に、女房役の山田泰誠・元騎手も目をパチクリ!!


1005131  この日、5月9日(土)、新潟競馬場は雲ひとつない晴天のまさに五月晴れ。視界の先には、まだ残雪を頂いた五頭連峰が迫り、そして、その向うに飯豊連峰の山々。ほのかに潮の香りもする新潟競馬場でしか味わえない、まさに絶景の景観です。
 この日のスペシャルゲストは、今年23歳を迎えた老雄のメジロパーマー。人間でいえば70代の年齢くらいですが、なんとこれがピカピカの馬体で、久しぶりに競馬場を思い出1005134 したのか闘志満々。今にも馬場に飛び出していきそうです。そのため臨時の仮策を設けて万一のために備えました。
 久しぶりの対面となるパーマーに、大きな目を余計に大きくして「元気ですねー。今にも走り出したくてウズウズしているようですねー」と、年齢以上の若さにビックリの山田さん。
 続けて、「彼とは6年前に会ったのですが、そのとき以来になります。よ! 久しぶりって感じですかね」と、懐かしそうで目を細めていました。
 山田泰誠・元騎手にとって忘れられない馬が、このメジロパーマー。ジョッキーになって41005136 年目、夢のGI制覇をプレゼントしてくれたのが「宝塚記念」のパーマーでした。その年の春からパーマー・山田コンビを結成。騎乗して2戦目の新潟の地、「新潟大賞典」で4馬身差の独走でアピール。そして、その暮れのグランプリ「有馬記念」でも15番人気ながらトウカイテイオーなどの錚々たるトップホースを相手に、堂々の逃げ切り勝ち。同一年の春秋グランプリ連覇を達成。
 ただし、これらの優勝はいわゆる“フロック”視され、年度代表馬の栄光は手にできませんでした。
 そこで私は「山田さん、新潟大賞典が7番人気で、宝塚1005135 記念が9番人気、有馬記念が15番人気。本当に人気とは無縁でしたねー」と尋ねると、
 「まあ、逃げ馬には人気はいらないから・・という感じですかね。他の馬のマークも楽になるし・・」とあっさり。
 「なるほど、どうせ逃げまくって、勝手に潰れるんだろう、という他のジョッキーが思っちゃう、というか思わせちゃう、ですよね」と私。
 「はいそうです。自分自身ではこの馬は強いんだ、ということをわかって乗っていましたから」と山田さん。
 「それにしても、2番手以下を大きく離しての大逃げ。個性派の代表のような馬でしたね。本当の心理状態はどうだったんですか?」と私が訪ねると、
即座に「いやあ、いつもこのパーマーの気分を損ねないように、気持ちよく走らせたい一心1005133 でしたね・・」と言う山田さん。
 平地のレースに見切りをつけて、ハードル界に身を転じたものの上手くいかず、1992年春に再び平地に戻ってきたときに、そこで出会ったのが若き山田泰誠騎手。これはジョッキー山田泰誠としても、一人前の騎手として飛躍のチャンスを得た出会いでした。
 「山田さん、彼パーマーは山田さんのことを覚えていますかねー」と私。
 「う~ん、覚えていて欲しいけどそれは無理でしょう」と山田さん。
このメジロパーマーがウイナーズサークルのイベントに登場する前、5レースの優勝馬の1005132 表彰式がありました。優勝したのがボーンコレクターで、柴田政人きゅう舎。メジロパーマーの新馬戦に騎乗したのが、なんと柴田政人さん。何かご縁を感じてしまいました。
 メジロパーマーは同期に年度代表馬のメジロマックイーン。更に豪者メジロライアン。これらの同期の評価の半分にも満たなかったメジロパーマー。そのパーマーが最高地点まで登り詰めたサクセスストーリー。その背中には山田泰誠という一人の若き騎手がいて、大輪の花を咲かせたことに感激させられたものです。
 今、目の前にいるメジロパーマーと山田泰誠・元騎手。何かほのぼのとした雰囲気と、歴史の重みを感じた新潟競馬場のイベントでした。