異常なスローペースで決め手の決着だった中山牝馬S!
それはまさかのペースだったのです。良馬場の中山の芝1800m。重賞「中山牝馬S」は、圧倒的な支持を集めたルージュバックが有馬記念以来の登場に、スタンドのファンの歓声が飛びます。 ところが、12秒8-12秒7-12秒9。前半の3ハロンが38秒4。過去10年で一番遅いペース。同じ日の未勝利クラスよりも遅いのです。そして5ハロン通過が63秒7。信じられないような超スロー展開。 主導権を取ったアルマディヴァンを先頭にシングウイズジョイ、クイーンズミラーグロ、リメインサイレントがお互いを牽制する形で先行。本来、主導権を取るはずだったウインリバティはトロトロしている間に前に入られて終了。 そして、これら先行各馬を見る形で外からルージュバック。それをマークする形で4番人気シュンドルボン。2番人気のアースライズ、3番人気ハピネスダンサーもこの前後する位置取り。 3コーナー手前からまくり気味に仕掛けて先頭に立ったのがフレイムコード。リメインサイレント、アルマディヴァンが続きます。そしてルージュバックがじんわりと外から動き出します。その直後にはハピネスダンサーとシュンドルボンが並んでいます。外から次々に各馬が動くのでインで脚を溜めたアースライズなどは、馬込みの中でまったく動けず。 4コーナーをまわってフレイムコード、リメインサイレント、アルマディヴァン。の順でしたが、ヴィルジニアの外、ルージュバックがスパート。それを待っていたかのように大外からシュンドルボンも仕掛けます。 直線先頭に立ちかけたアルマディヴァンに並びかけたルージュバック。これを捉えて先頭に立ちかけた時に、外から急追したシュンドルボンが鋭く反応。ルージュバックに並びかけると追う者の強み、ルージュバックをクビ差捉えてゴールに飛び込んでいました。 3着は大外から直線勝負に徹したメイショウスザンナ。人気の馬が強そうなときには一変したレースを見せてくれる気分屋。見事な快走でした。 それにしても、なかなか勝ち星から遠いルージュバック。今回こそは間違いないと見られていましたが、やや運に見放されている印象です。 もっとも、レース中に左前脚の落鉄というアクシデント。そのことも影響したと、戸崎騎手。 優勝したシュンドルボンはエリザベス女王杯(11番人気)で◎。5歳を迎えて一段と逞しく成長。500Kを超すグラマー。今年の牝馬戦線、目玉的1頭になりました。 2番人気のアースライズが8着。とはいえ勝ち馬と0秒3差。インで詰まり気味の展開で明らかに不利な競馬。次走は不気味な1頭です。
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