4月2日、月曜日、正午すぎに突然、電話のベルが鳴りました。
昼食をすませて、一服しながら今週の桜花賞出走馬の再チェックでもしようかと、考えていたところに、急を要するテレビ局からの電話でした。
電話の内容は、日曜日に阪神競馬の1レースで優勝した、注目の白馬ホワイトベッセルのことで、テレビに出て欲しいとのことでした。ホワイトベッセルはJRA史上初になる白馬(白毛)の優勝。ほとんどの競馬ファンは知っていることでしたが、一般の社会がそれを大きなニュースとして、取り上げてくれるとは思いもよらず、戸惑っていると、夕方のテレビ朝日のニュース番組「スーパーJチャンネル」だといいます。更に、2時か2時半までには局に来て欲しいとのこと。私は支度もあるし、移動もあるので、3時ならば、ということで承諾。
それからが大変。急いで身支度を整えると、日本には何頭の白毛がいて、何頭が走り、JRAの白毛はどんな成績だったのか、とにかく数字を性格に収集して、サッサと頭にインプットしなくてはと、上を下への大奔走。
何とかかんとか3時前に局にたどり着いて、聞けば5時台の放送とか。打ち合わせも簡単に、いざ本番。
これが締め切った小部屋と、間近のライトとライトで、う~ん、熱い!額に流れる汗。スタッフがうちわを持って来てくれて、アイスコーヒーを用意してくれたのですが、カメラが回りだすと、額から直ぐに滲み出る汗!画面でピカピカ光っていたのは、我慢の堤防から溢れた汗です。
1時間近くコメント撮りの収録が終了。編集で実際に顔出しとして使用されたのは、ほんの摑みだけでしたが、まあ、これはよくありがちなこと。
あの報道ステーションにも…
局からハイヤーで自宅に戻ったあと、再びテレビ朝日から電話。今度はあの「報道ステーション」から電話。きょう収録したものを、報道ステーションでも使用したい、とディレクター氏。わあ、憧れていた報道ステーション。収録ものだって、汗が溢れていたものだって、瞬時の出演だって報ステならОKОK。二つ返事で「構いません。よろしくお願いします」と、幸せ印の私でした。
報ステ出演後、携帯、家電話、メール、まるで選挙で当選したかのような知り合いからの取材と評価。さすが報ステ、視聴者は多いです。
さてさて、白馬とは?
JRA史上初めての「白毛」の優勝となったホワイトベッセル(父クロフネ・母シラユキヒメ)。キャリア2戦目、これからの成長力が楽しみですが、この白馬とは「白毛馬」(しらげうま)といわれます。
そもそも「白毛馬」とは、突然変異で生まれ、「白斑」が体全体に広がった状態とか。確率的には2万分の1。その突然変異の馬から生まれた場合の白毛は、遺伝といわれます。
日本最初の突然変異で1979年に生まれたハクタイユー。父は史上最強の世代のダービー馬ロングエース(黒鹿毛)。母は栗毛のホマレブル。まさに突然変異の白毛馬でした。ただ、ハクタイユーから生まれたハクホウクンは遺伝的、白毛と言われるのです。
これまで、ハクタイユー以来、日本には16頭の白毛馬がいて、6頭が突然変異で誕生。10頭が父か母からの遺伝。今回のホワイトベッセルは、母のシラユキヒメ(父サンデーサイレンス)からの遺伝。兄はこれも白毛だったシロクン。下にはホワイトベッセルの全妹の白毛ユキチャンがいます。
また、両親とも白毛だった馬から誕生したミサワボタンもいます。ただ、これは世界的に稀有なケースで、白毛と白毛の配合は生存するケースが、きわめて難しいのだそうです。
それにしても、初勝利となったホワイトベッセルの馬主の金子真人氏。どうしても譲って欲しいと頼み込んで、母にあたるシラユキヒメを手に入れたのだとか。
そうしたら、馬運が一変。走るのなんのって、ついにはあのディープインパクトが出現。なるほど、神馬っているものなのですねー。あやかりたいものです。
■写真はすべて「報道ステーション」より