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スミヨンJの右ステッキが運命を分けた節目のジャパンカップと顛末!


Img_1105_1_320  不思議なくらい人気が集中したブエナビスタ。ジャパンカップのことです。締め切りで単勝1・9倍。昨年、同じ牝馬で5歳だったウオッカは1番人気で単勝3・6倍。この違いは一体どうしてなのでしょう。とすると、天皇賞で2馬身差の圧勝が支持率の高さに出たのかも知れません。それにしても、宝塚記念でブエナビスタを差し切り、先の凱旋門賞では惜しい2着だったナカヤマフェスタ。その彼がいるのにもかかわらず、ブエナビスタがジャパンCで1・9倍とは・・。いやあ、驚きました。

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 強力な逃げ馬が不在。カナダのフィフティープルーフが逃げるかと思われましたが主導権を制したのは、なんと我らが日本のシンゲン。2番手になんとビィクトワールピサ。エイシンフラッシュも同じような2、3手を前後する位置取り。差し追い込みを武器とする馬が、先行してなんとか少しでも粘り込みたいという思いがあったからでしょうか。いつもなら考えられない展開です。半マイルが48秒7で、半分の6ハロン通過が1分13秒4。当然のことながら遅いペースです。
 ブエナビスタはスタートで躓いて後方からの展開。ペルーサもまたしても致命的な出遅れ。スタンドはどよめきました。Japan_3
 この坦々とした流れでレースは進み、ブエナビスタが4角で外に出して追撃態勢。ペルーサは最後方から差を詰めにかかったのですが、オウケンブルースリが外から内に切れ込んできて、仕方なく馬込みの中に突入。直線でシンゲンを捉えたビィクトワールピサが先頭。その直後からローズキングダム。更に、直線外からもの凄い脚で追い込んできたのがブエナビスタ。ジャガーメイルも加わっていましたが、ブエナビスタの伸び脚が抜群。このときスミヨン騎手は右ステッキ。ブエナビスタは内にジワジワ切れ込んで行きます。ゴール直前でした。しぶとく伸びかけていたローズキングダムが追い込んできたブエナビスタに前に入られて、武豊騎手が躊躇するシーン。この場面がブエナビスタの運命を変えたのでした。抜け出して咄嗟の判断でステッキを右から左に持ち替えたスミヨン騎手。ゴール板を先頭でゴールイン。
 この時点では、彼は自分とブエナビスタの優勝を疑わなかったのでしょう。ガッツポーズで優勝の興奮をストレートに表現。そして、ヘルメットを高く上げスタンドの大歓声に応えようとする喜びのスミヨン騎手。審議のランプが点灯しても、彼の喜びのパフォーマンスは続きスタンド前をまさにウイニングラン。
 それは長い審議でした。フジテレビは審議中のまま番組は終了。馬場の表彰台まえにはブエナビスタの関係者が大勢集合。表彰のセレモニーと記念撮影を待っていたのでしたが、場内アナウンスの審議結果は、ブエナビスタの関係者には無常にも2着降着。喜びは露と消え去ったのでした。すごすごと名残惜しそうに馬場を後にする関係者。
その時点で時計の針は4時。最終レースの締め切りベル。場内アナウンスは12レースの発走が7分遅れることを発表。ところが、馬場内には多くのカメラマン、報道関係者。そして、ローズキングダムの関係者で大変な混雑。どうみても7分遅れでは発走できない状態。

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しばらくして、今度は10分スタートに変更。そんな程度では大変な混雑と、セレモニーの状態から明らかに無理でした。そのうち繰り上がり1着となったローズキングダムが優勝のタスキをかけて馬場に登場。ところが薄暗くなってきた定刻の4時10分になっても場内放送はなし。と、ターフビジョンで12レースの発走が遅れることを表示。すでに最終レースに出走する馬は、レース後に退場のする出口から、特別に入場を済ませていてスタートのゲート前で長く待たされている状態。
4時15分に京都の12レースが発走。馬場内のターフビジョンではその映像はなし。やがて東京の12レースを待っていたファンから、コース内にいる関係者に向って罵声。「おい、そこをどけよ。馬が走れないだろ!」「早くしろよ。なにをモタモタしてるんだ!」「いい加減に終われよ。ふざけるな!」大声で罵声が飛び交います。当然でした。
早く帰らなければいけないファンのためにも、セレモニーを後回しにして、12レースを先に出来なかったのか、理由はわかりません。ただ、なんとも後味の悪さと、ダラダラとした手際の悪さが残ったような気がします。