圧倒的な強さを鼓舞してきたレーヴディソールが突然のリタイアで、一転、混戦桜花賞の様相でしたが、終わってみれば2番人気のマルセリーナが優勝。1番人気のホエールキャプチャが2着で、4番人気トレンドハンターが3着に入り、しごく順当な桜花賞の結果となりました。
この上位3頭とも出遅れ気味のスタート。それぞれ後方に置かれましたが、ライバル同士が傍にいたこともあって慌てず、末脚温存に徹したことが幸いし、直線の鋭い伸び脚につながりました。
優勝した○マルセリーナは後方の内でじっくり対応。直線では前がカベ。そこをコジあけるようにして、ゴール前で近強く抜け出しました。1分33秒9は昨年の優勝馬アパパネが計時した1分33秒3に及びませんでしたが、ダートがやや重馬場で、芝は良馬場発表でも多少時計の要する馬場コンディションだったように思います。
外枠だった▲ホエールキャプチャと△トレンドハンターは、終始、後方で外を回る形。4角では大外を回るホエール。その直後にトレンドハンター。ゴール前で強襲しましたが、一歩先に抜け出したマルセリーナの脚色は衰えることなく堂々のGI制覇。ホエールキャプチャ、トレンドハンターと続きました。
トレンドハンターはダート1800mで3戦し、中山からスライドした芝1800mのフラワーCを優勝して、中1週で初めてのマイル戦。明らかに不利な条件が揃っていたにもかかわらず0秒2差の3着。距離が延びるオークスでは、当然ながら最有力候補にノシ上がったような気もします。
私は今回の桜花賞は枠順を見たときに、もうこれしかない、この馬に夢を賭けようと思いました。1枠1番のフォーエバーマークです。東京のからまつ賞、オープンのクロッカスSを勝ったときがいずれも逃げ切り。圧勝でした。とくにクロッカスSは芝1400mで1分21秒0、ラスト34秒2の二枚腰を駆使。単騎で逃げたら強い、ということを実証していたので、桜花賞は何がなんでも主導権を取りたいところだろう。そのためには絶対に内枠が欲しい。同型のマルモセーラは阪神JF以来4ヶ月ぶりの実戦。引っかかってくる可能性もあるけど、この馬より内枠が欲しい。もう1頭の同型サクラベルよりも当然内枠を引き当てたい。そう願っていたら1枠1番。よし、これは天が味方をしてくれた。これで後悔なく◎を打てると、ガッツポーズ!あとはスタートひとつでした。
そのスタート。ガシャ!と開くと、どの馬よりも真っ先に飛び出していました。文句なし吉田豊ジョッキー会心のスタート。これで難なく主導権を取れましたが、外からマモセーラが引っかかり気味に接近。サクラベル、ウッドシップも差なく接近。それでも、吉田豊Jは先手を譲る気はなく強気の逃げ。この気迫にマルモセーラがやや控える形。3角あたりでは1頭だけ離した逃げ。ウッドシップの藤岡佑Jが早めに捉まえようと動き出し、4角で外から並びかけようとしたのですが、まだフォーエバーマークは手応えが楽。ここで一気にスパートをかけようと、吉田豊Jの手綱が動き後続との差が2馬身。あとゴールまで1ハロンを切ったあたりで、馬込みの間からマルセリーナがグイグイと押し寄せてきてゴール前100mもないところで、のみ込まれてしまいました。さらに、寸前でホエールキャプチャとトレンドハンターが一気に伸びて、ああ無念の5着。
前半の3ハロンが昨年よりも1秒速く、半マイルが46秒7、5ハロン58秒5。馬場コンディションを考えると、かなりのハイペースだったように思います。マルモセーラがいなかったらあと前半0秒5くらいダウンできたかも知れません。そうしたら、せめて2、3着はあったかも・・と考えても仕方がないことですね。
ちなみに、マルモセーラが17着、サクラベルが16着、ウッドシップが13着。先行馬が大きく崩れた桜花賞でした。