思いっきりの良さというのは、ときに驚愕の結果を生み出すことがあるものです。先週のマイラーズCは、7番人気と人気薄だったシルポートが小牧太騎手を背に、見事な逃げ切り勝ちを決めました。
東京新聞杯6着、大阪城Sが6着。ファイナルS、京都金杯を連勝した頃に比べると、やや家賃が高くなってきたかな、という思いもありましたが、騎乗した小牧太騎手の思いっきりの良さが、不安を一掃、見事な好リードでした。
それも1分32秒3の出色のタイム。レコードに0秒3に迫るものでした。しかも、ラスト4ハロンを45秒7、3ハロンを34秒3。完璧でした。これでは差し、追い込み馬はどうすることも出来ません。
前半の半マイルを46秒6、1000m通過が58秒0。決して速いペースではありませんでしたが、不運とも思えた17番枠から小牧騎手がしごいて先頭。見る見るうちに2番手のクレバートウショウとの差を広げて行きます。
この乗り方で後続の騎手たちを幻惑。「これは速い。巻き込まれてはダメだ」との思いから、ほとんどの騎手が折り合いだけに専念。まさにこの幻惑ペースにまんまと乗せられてしまいました。もし、前半のペースがあと0秒5遅かったら、後続馬がピッタリと直後に張り付いて、ラスト33秒台の瞬発力勝負となり、後続馬の餌食になった可能性も否定できません。
それにしても、マイル1分32秒3、ラスト34秒3は自ら逃げて叩きだした時計であり、6歳馬シルポート自身の成長力にも驚かされます。仮に開幕週であったら1分31秒台前半も望めたかも知れません。そして、いよいよ迎えるGI安田記念の桧舞台。昨年以上にパワーアップして、東京コースでも再び快走が見られるかも知れません。
一息入れた1番人気のダノンヨーヨーが、2番手を粘りこんだクレバートウショウを頭差捉えることが出来ず無念の3着。中団から脚を伸ばした3冠牝馬アパパネが4着で、ラスト33秒0の最速タイムを計時したスマイルジャックは、前半のポジションのミスで6着。これも余りにも消極的すぎた2番人気のゴールスキーが意味不明の15着。このゴールスキーは賞金の関係で、GI安田記念出走が難しくなりました。
注目していたショウリュウムーンとフラガラッハ。ともに後方待機から直線勝負型。逃げたシルポートに圧勝される競馬では、いかんともし難いところでした。ただ、ショウリュウムーンは牝馬同士のヴィクトリアマイルでの巻き返しが期待されます。ブエナビスタを相手にどんな競馬をするのか注目です。
小牧マジックでGI級の快挙!ただただ脱帽のシルポートの逃走劇!!
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