キタサンブラックは何故に歴史的惨敗だったのか?!
圧倒的な人気を集めたキタサンブラック。大阪杯、天皇賞とGIを2連勝。宿敵、サトノダイヤモンドが不在。まさに向かうところ敵なしと思われた「宝塚記念」。大阪杯や天皇賞よりもメンバー構成が、外見的にはあまりにも恵まれた印象。 ここ数戦と違い今回は10番枠という外枠を引いたキタサンブラックでしたが、強力な逃げ馬が見あたらないことから、ポンと出てキタサンのペースで進みそうだと推測。ここまではキタサンブラックの独り舞台か、という様相でしたが、ところが、GI競馬物語は異なるストーリーを迎えようとしていました。 私はキタサンブラックにとって、どうしても拭いきれない大きな疑問があったのです。 それは3200mの天皇賞で、ベラボウに速いレコードで走った馬が、その反動もなく走れるのだろうか。とてもそんなことは考えられませんでした。 3200mをレコードで走ったあとは、何億と言う細胞が破壊的ダメージを受け、その細胞の回復、再生するまでに、あまりにも時間がなさ過ぎると思えたのです。 キタサンブラックのスタッフは、疲労した肉体のケア、回復に全力を注いだはずでした。とはいえ、天皇賞でビシッと長目を追い切った調教が、今回の直前はサッと軽めの調教。明らかに疲労を意識した調整のように見えました。しかも、驚いたことが天皇賞よりも6k増加の542k。デビュー以来、最重量の馬体重。汗をかきやすい時期になってきたのに、天皇賞よりも馬体が増えているのです。これは明らかに負担を考えた調整が、思うようにいかなかった結果のように思えました。結局、キタサンブラックは9着。大惨敗でした。 逃げ馬が不在の中でもキタサンブラックは先手を取ろうとする気配は感じられませんでした。シュヴァルグランが押し出されるようにして先頭に立ちます。内から差し馬のシャケトラが2番手。キタサンはその後ろの外側。内のミッキーロケットが少し掛り気味に好位置。あまりにも遅いペースに途中からサトノクラウンが、キタサンブラックの外に並びかける勢い。 1000m通過が60秒6。ゆったりと流れて行きます。ゴールドアクターが6番手。その後に外にミッキークイーン、内にレインボーライン。 そして、3コーナー手前からやっとハロン11秒台にペースアップ。そして、4コーナーではシュヴァルグランを先頭に、シャケトラ、それに並ぼうとするキタサンブラック。それをピッタリと背後でマークするサトノクラウン。その内からゴールドアクター。またミッキーロケットが内から外に出そうとするときでした。外から伸びて来たミッキークイーンと接触。ミッキークイーンには不運でした。その後ろがレインボーライン。 直線に入ってシュヴァルグランを捉えて先頭に立ったシャケトラ。これに並びかけようとするキタサンブラック。これを待っていたかのように外からサトノクラウンが襲って来ました。インコースをピッタリにゴールドアクター。並ぶところなく前を行く2頭を捉えて先頭に立ったサトノクラウン。内からゴールドアクターが迫って来ます。そして、直線大外からミッキークイーンがグングン肉薄してきました。 サトノクラウンのM・デムーロ騎手は勝利を確信してゴール前ですでにガッツポーズ。勝利の雄叫びを上げます。最短距離を走り2着に頑張ったゴールドアクター。外から迫った私の◎ミッキークイーンが3着。直線で接触がなければ、もっと際どかったはずでした。 以下、シャケトラ、レインボーラインと続きました。キタサンブラックは直線でズルズルと後退。あまりにも不甲斐ない走り。9着でした。また、天皇賞で2着だったシュヴァルグランが8着。レコードの演出した天皇賞上位2頭が惨敗。ブービー人気のスピリッツミノルにも先を越されてしまいました。
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