伝統の七夕賞は3頭のドラマだったのか!結末は・・・
夏のローカル競馬、注目の一戦「七夕賞」。ハンデ戦で波乱含みの様相でした。 1番人気が前日からゼーヴィントと、マルターズアポジーが、時間ごとに変わる2頭のデッドヒート。 当日、結局は1月以来の実戦でしたが、4歳馬ゼーヴィントが1番人気。マルターズアポジーと共に、この2頭は福島の重賞を制していることで共通。本来は、有馬記念、大阪杯などGIを走っているマルターズアポジーが人気の中心となるべきだったのですが、大阪杯のあと休養させて、函館記念に向かうと言われていました。 ところが、厩舎サイドで仕上がっている、と判断されて、急遽、七夕賞に矛先を向けて来たのです。厩舎サイドは仕上がっていることを強調されていましたが、私には、やはりいくらか急仕上げの印象は拭えませんでした。 結果から七夕賞を総括すると、今年は3頭の七夕賞だったような気がします。その1頭が優勝したゼーヴィントであり、2着のマイネルフロスト。そして逃げたマルターズアポジー。この3頭の七夕賞だったような気がします。 スタートと同時に先頭に立つはずのマルターズアポジー。内からフェイマスエンドに張られて、先頭に立つまでにかなり脚を使ったのです。ようやく先頭に躍り出たのが1コーナー。前半の2ハロン目が10秒5、そして3ハロン目が11秒4。前半3ハロンは33秒9。思わぬペースでマルターズアポジーは厳しい展開を強いられてしまったのです。 しかも、マルターズアポジーはハミが掛り、2番手のフェイマスエンド以下を離してポンポンと逃げます。このとき3番手で様相を窺っていたマイネルフロスト。仕掛け詰めのゼーヴィントを確認したフロストの柴田大騎手は、3コーナーで大芝居に打って出ます。なんと逃げるマルターズアポジーに外から並びかけて、これを一気に突き放しにかかったのです。 こうなると、マルターズアポジーも逃げ馬の宿命でもうギブアップの走り。そこをすかさず外からゼーヴィント。前半は速い流れに苦労していましたが、4コーナーをまわり前にマイネルフロストが射程圏に入ると、恐ろしいくらいの勝負強さを見せたのです。 前を行くソールインパクトを外から捉えて、マイネルフロストに襲い掛かり、これを見事に仕留めたのでした。 昨夏のラジオNIKKEI賞以来の勝ち星が重賞2勝目。福島、及び夏に強いと言うことを見せつけました。 キャリア10戦で4勝、2着3回。父がディープインパクト。騎乗した戸崎騎手も秋が大いに楽しみと、コメントしていましたが、なんとなんと故障が発症。 「左第一指骨剥離骨折」と診断。好事魔多しとはいうものの、これから秋に向けてと、一歩踏み出したときのアクシデント。一日も早い奇跡的な回復を願うばかりです。 そして「以前の強い時のマイネルフロストに戻って来ました」と、柴田大騎手が言うマイネルフロスト。大胆な攻め戦法が功を奏したかのように見えました。惜しい2着です。この夏は新潟記念にでも顔を出して来る可能性がありますが、目を離せない1頭になりました。
Category: 競馬 /