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スタートが勝負の分かれ目だったGIフェブラリーS


       単勝2.1倍、圧倒的な1番人気に推されたゴールドドリームがゴール前で大逆転の末に差し込まれてしまいました。

GI「フェブラリーS」はゴール前で先頭に立ったゴールドドリーム。昨年の覇者でもあり、これまでの強烈な破壊力から圧勝か、とファンの目に映りましたが、なんとこのゴールドドリームが、寸前でノンコノユメ(4番人気)に差し込まれてしまったのです。 内でしぶとく食い下がるインカンテーション。その外にゴールドドリーム。それを背後で窺っていたノンコノユメが、ゴールドドリームの外に馬体を併せに行きました。

ゴールドドリームの陣営にとっては、前走のGIチャンピオンズCで、豪快に差し切って快勝した自信があったはず。ところが、ノンコノユメの末脚が勝りクビ差ゴールドドリームを捉えたのです。

何度も何度もガッポーズでファンの拍手に応えるノンコノユメの内田騎手。よほどの嬉しさに、内田騎手自身もきっと高揚したのでしょう。幾度となくこぶしを振り上げていました。

スタートを切るやいなや内からニシケンモノノフ、ケイティブレイブの先行にノボバカラ。そしてその外には2番人気のテイエムジンソク。 一方でゴールドドリームは癖となっているのか今回も出遅れ。それも2馬身近い出遅れでした。鞍上のムーア騎手は、さすがにマズいと感じたのか、懸命に手綱をしごきます。その後ろにノンコノユメがいて、まさにゴールドドリームをマークする形。

前半3ハロンの入りが34秒1、そして半マイルが45秒8。芝の東京新聞杯が35秒4-47秒6。まさに東京新聞杯を上回るペースで流れて行きます。明らかに後方待機馬向きの展開でした。この流れにムーア騎手も幻惑された印象です。出遅れたために早めに仕掛けてついて行き、直線でも一呼吸早く仕掛ける1番人気馬にとってはキツイ展開となったのです。

 ニシケンモノノフ、ケイティブレイブなどの先行馬は直線半ばでギブアップ。内からしぶとく伸びて来たインカンテーション。そして直線入り口で進路がなく、後方から仕方なく内を突くことにした私の◎レットゴードンキが肉迫。外にはゴールドドリーム。そして大外から直線にすべてを託したノンコノユメ。

ゴール前で先頭に躍り出たゴールドドリーム。外から内田騎手のステッキが入るノンコノユメ。馬体を併せて来ました。ゴールドドリームの内からインカンテーション。内ラチ沿いをレッツゴードンキ。

結局、ゴールドドリームをゴールで捉えたノンコノユメに凱歌。初GI制覇でした。クビ差でゴールドドリーム。またクビ差でインカンテーション。直線で意外にいつもの伸びに鋭さがなかったサンライズノヴァ(3番人気)が4着。半馬身差でレッゴードンキでした。テイエムジンソクは直線で失速して12着に後退。速い流れのマイル戦は不向きなようです。

ノンコノユメの鞍上、内田騎手は久しぶりのGI制覇に喜びを身体いっぱいで表現。何度も何度もガッツポーズ。スタンドのファン、関係者にアピールしていました。

ノンコノユメの加藤征弘調教師の父、加藤友三郎さんと私の実家が近いということもあって、懇意にさせて頂き、温泉にもご同行させて頂いた仲。残念ながら昨年他界されましたが「アベコーさん、父がきっと背中を押してくれたと思いますよ」とぽつり。 加藤征弘調教師は、きっと墓前で父君の墓前で、GI制覇の感謝で手を合わせていることでしょう。