12月23日、スタンドから有明海が見える風光明媚な熊本県荒尾市にある荒尾競馬場が幕を降ろしました。1928年に開設という最古参の競馬場。その83年に渡る長い歴史。ひとつの競馬文化の灯火が消えたことになります。
12月23日のその日は、快晴に恵まれて普賢岳がくっきりと顔を出し、最後の別れを惜しんでいるようでした。
荒尾競馬はピーク時に159億の売り上げがあったものの全国的な斜陽化の波で、2010年度には、累積赤字が13億6000万まで膨らみ、荒尾市の前畑淳二市長は廃止の決断を断行。有馬記念で引退したブエナビスタの総収得賞金が14億7886万9700円。ブエナビスタの賞金より少ない累積金額で廃止の断行は、果たしてそれが正しかったのかどうか大いに疑問が残るところです。
また寒風の下に放り出された、多くのきゅう舎関係者の方たちの心痛は、いかばかりか想像に難くありません。
聞くところによれば、荒尾市から見舞金として一部の人には200万円を差し出されたとか。まだ保障問題等で解決をしていないようですが、83年に渡る歴史の中で、親から子へ、そして孫へ。伝統を築き上げてきたその金額が200万円。ピーク時に吸い上げた159億円。その時に最悪の事態を考慮して保証金等を考慮してこなかった荒尾市にも大きな問題だと思います。
九州からは中津競馬に続き荒尾競馬が廃止となり、九州の馬産地に与える影響は想像を超えるものです。九州馬産地の危機だと思います。
残された最後の砦である地方競馬の佐賀競馬場。是非とも「がばい佐賀」の根性で、負けないで欲しいものです。
有明海と普賢岳を臨む荒尾競馬場が涙の閉幕・・
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