3月11日の中山10レース、東風ステークスを◎ツクバホクトーが3馬身半差の逃げ切りを決め、▲ネオヴァンドーム・△ラインブラッドで、単勝1690円、3連単14万3080円をガツンと仕留めて、いざ、メーンの中山牝馬ステークス。
中山牝馬Sはハンデ戦とあって、1番人気馬やハンデ頭の馬は大苦戦中。とくに1番人気は過去5年続けて連対はおろか馬券の対象から消え去っているのです。季節的に牝馬には非常にデリケートなことと、中山内回りの芝1800m(昨年は阪神)というトリッキーなコース形態が、人気馬にとって足かせになっているようです。
この中山牝馬Sに絶好の狙い馬がいました。どうぞ馬券を買って下さい!と、手を振り呼び込みしているような馬がいたのです。
コスモネモシンです。なんといっても中山芝はこれまで5戦2勝2着と3着が1回。どこの競馬場よりも相性が抜群にいいのです。それも芝1800mが際立って強さと安定感を見せていたのです。
実際、芝1800mの札幌、クイーンSでアヴェンチュラと大接戦。休養明けだったにもかかわらず首差。アヴェンチュラは秋華賞を制覇。エリザベス女王杯でも2着。
コスモネモシンはさらに連闘で臨んだ札幌記念でトーセンジョーダンの4着に好走。そのあとの京都、芝1800mのオープン・カシオペアSで、あの芝1800mのスペシャリスト、ダイワファルコンの2着。上手い具合に2、3番手の積極策でしぶとく伸びていたのです。要するにスローペースが予測される中山芝1800mでは、この脚質面での自在性が生きる、カシオペアSのような騎乗をするはずだと確信を持っていたのでした。
加えて、不良馬場で圧勝した実績があり道悪馬場のコンディションは、プラスに働いてもマイナスにはならないと判断。前走の京都牝馬Sはあまり向いていないマイル戦で、馬体重がプラス12K。476Kはデビュー以来もっとも重い体重で結果は7着。これは明らかに調整不足。ゆえにひと叩きした中山牝馬Sにこそチャンスがあると見たのは、今でも間違いではなかったと思っています。
ところが、ところがでした。これだけの好条件で迎えた中山牝馬Sだったのですが、騎乗した丹内騎手が、あまりにも消極的だったのです。後方に置かれて1コーナーのところで14番手。追い込みのマイネイサベルが2番手で、いつも最後方に置かれる典型的な追い込み馬、ここがラストランになるエオリアンハープが中団のイン。こんな展開なのにカシオペアSを2番手で対応した教訓をまったく生かしていないのです。もともと末脚に長けている馬でもないので、最悪の展開というのか最悪の騎乗。結局、後方でゴチャつき、4角では大外に出し直線チョロチョロと伸びて6着。こんな騎乗では取れる馬券も取れない、当然です。
優勝したレディアルバローザは一転した逃げ。「スタートが良ければ前に行っていい、と言われたので、迷うことなく逃げました」と、福永騎手。さすがです!続けて「3月11日に競馬が出来て、しかも重賞を勝たせていただきました。微力ながら自分が出来ることを続けていきたいと思います」と、まさにトップクラスのジョッキーの答弁。本当にさすがでした。
昨秋の中山、準オープンの韓国馬事会杯で私はプレイという馬に◎。他が差し追い込み馬で、中山マイル戦の2番枠を引き当てたプレイにとっては、休養明け2戦目ということもあり、誰の目にも単騎逃げは確実。となれば、弥生賞2着、NHKマイルC5着の地力から逃げ切れると考えたのです。
当然、押し出されるように先頭に立ち、半マイルが48秒5、1000m通過は60秒6。良馬場でまさに超スロー。4角を先頭でまわったプレイ。いつもより早めの2番手に付けた6番人気クーデグレイスが、4角をまわったところで一気に仕掛けて先頭。これを無抵抗で見過ごしたのが逃げたプレイ。3番手のダイワファルコンが並びかけてきて、ここからプレイが追い出す形。瞬発力の末脚勝負で抜き返せるだけの切れ味の特技はなく、ただただ離されまいと必至にすがり付いているだけのように見えました。結局4着。このとき騎乗していたのが丹内騎手その人。あまりにも凡プレイに呆れたものです。
競馬だから勝負の運というものがあることは否定しません。ただ、お金を投じて馬券を買っているファンのことを、どんなときにもプロの騎手である以上、肝に銘じて欲しいものです。
これでも彼はプロのジョッキー?呆れた騎乗にショック!
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