競馬に絶対はないというものの阪神大賞典で単勝オッズ1・1倍という断然の支持を背負ったオルフェーヴルの2着には我が目を疑いました。
それは突然でした。我慢しきれないという感じで、押し出されるようにして先頭に立ちかけたオルフェーヴルが、途中から先頭に立ったナムラクレセントと内外の間を大きく開けるようにして外目を併走。
そして、信じられない事態に陥ったのは、2週目3コーナー付近。なんとオルフェーヴルが外側に逸走。池添騎手が慌てて急ブレーキ。
「ああ、故障発生か?!」と、場内がどよめいたのも無理もありません。先頭から最後方まで後退。レースを離脱したようにも映り、悲痛な空気が流れ、ファンはオルフェーヴルの姿を追います。
ところが、そこから池添騎手が気合を入れて再び戦列に加わろうと、必至の形相で前を追いかけました。4コーナー外から前を射程圏に入れてグングン加速し、先頭を行くギュスターヴクライ、ナムラクレセントを外から肉迫。とはいえ、アクシデントがあっては優勝などまず無理。それでも半馬身差まで詰め寄ったところが、王者としての意地なのでしょうか。
ギュスターヴクライに半馬身差まで詰め寄ったところがゴールでした。3着のナムラクレセントと2馬身半差。さすがオルフェーヴルという声がある一方で、投じられた多くのオルフェーヴルの単勝、馬単、3連単は紙くず。ごくごく普通に走っていれば間違いなく優勝していたことから、ファンにしてみればなんとも納得できない一戦。
池添寿調教師は「ポンと好スタートを切ったことから、前に壁を作り辛い状況になってしまった。それでも、折り合いはついたけど他馬が来たらハミを噛んでしまったね。3コーナーのところではもう気持ちが左にいっていた。今日は気性的な難しさを出してしまったね。矯正して天皇賞を目指したい」とコメント。
オルフェーヴルは3冠馬で、暮れの有馬記念を制して、文字通り日本一に登り詰めた馬です。昨年のスプリングSから無敵の6連勝。キャリアも十分。それほどの馬がレース中に逃避。騎乗法にミスはなかったのか、あるいは調整法に落ち度はなかったのか、オルフェーヴル自身がコメントできたら、何を語るか是非とも聞きたいものです。
競馬に絶対はないのですが、レース中に異常な事態が発生したら、関係者はファンを納得させる説明の責務はあると考えます。
事件的黒星の阪神大賞典はすべてオルフェーヴルが悪いのか!?
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