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バンザイ!日本ダービー◎▲△で的中!それは衝撃的だったある坂路でのこと($・・)/~~~


 夜も更けた頃、携帯の着信音。親友のYからでした。
 「明日のダービーに家から自転車で行こうと思って・・。そう、カミさんも一緒にね。競馬場は何年ぶりだろう?落ち着いたので、やっと自由に行ける年齢になったよ」。
 Yはそう言うと、「いやあ、そっちも明日は色々忙しいだろうから、別に会えなくてもいいよ。まだはっきりした時間も決めてないし・・。それでね、ダービーの予想を教えて欲しくてさ。ゴメン!今、手元に新聞がないんだ。番号だけでも教えておいて!」
 と言うから、私は「勝負になるのは4頭。人気の6番ゴールドシップと8番ワールドエース。それに10番のディープブリランテと11番のフェノーメノ。おそらくこの4頭で決まると思うけど、3着の可能性があるのが14番トーセンホマレボシかな。一応ね、これが結構自信があるんだけど、ボクの◎はディープブリランテで、○がゴールドシップ、▲はフェノーメノだよ」と伝えると、
 「了解!それで明日のダービーはやってみるよ。また近いうちに連絡するからさ。それじゃまた・・」と言って、電話を置いたのでした。

No1  ダービーは皐月賞馬ゴールドシップと、皐月賞2着のワールドエースが1番人気を激しく競り合う形で、結局、2・5倍のワールドエースに対してゴールドシップが3・1倍。3番人気以下が大きく離れていたことからも、さながら人気2頭のマッチレースの様相。ところが、この2頭は皐月賞がそうだったように後方待機で直線勝負型。後方でお互いが牽制し合うと、ゴールでは届かない可能性があると考えました。
 実際、典型的な逃げ馬がゼロス1頭だけ。間違いなくこの馬のマイペースだろう。2番手は京都新聞杯を2番手から抜け出したトーセンホマレボシ。この直後にディープブリランテ。この形で坦々と流れそうという見方をしました。
No2  当初、私はフェノーメノが2400mの青葉賞で見せた強烈な末脚と、勢いに注目していたのですが、ある衝撃的な事実を見て考えが一変しました。
 それというのが、ディープブリランテだったのです。16日のCWコースで準オープンのキョウエイバサラを大きくチギり捨てたことで上昇気配を感じ取っていたのですが、本番前の水曜の坂路調教で岩田騎手を背に、目を疑うような迫力のパフォーマンスを披露。それは歴代の名馬とて見たことがなかったくらいの衝撃走でした。
No3  先行した3歳オープンのゲンテンを並ぶところなく置き去りにすると、岩田騎手が追っていないのに、ブリランテ自らがグングン加速。その強烈な迫力、パワフルさ。坂路を前に前にと力強く駆け上がったディープブリランテ。51秒4でラストが12秒0と破格のタイム。それは連日のように調教で騎乗している岩田騎手の思いが、まさにブリランテに通じているようでもありました。
 私の◎はこのとき決まりました。
No4  前日の土曜日、東京競馬場の記者席前で、爆笑問題の田中さんとバッタリ。「ボクも去年からダービー候補はディープブリランテだったんですよ」と田中さん。二人でガッチリと握手。傍で私の講釈をフムフムと聞いているタレントのウエンツ瑛士さん。
 そのとき、話に夢中で自動発券機で購入した京都の11レース朱雀Sの馬券を取り忘れて(的中)紛失するマヌケぶり。ショックでした。(T_T)

 死ぬ気で信じあえた結果が今日の勝利!

 そして、いよいよ日本ダービーです。
No5  好枠を引いたゼロス。ポンと予想通りの逃げ。これを見て外からトーセンホマレボシがスンナリと2番手に進出。そして追い込みから一転してクラレント。その内にディープブリランテ。中団の前方に皐月賞1番人気のグランデッツアとフェノーメノがいて、後方にはゴールドシップとワールドエースがマークする形。最後方に馬体重が激減したヒストリカルと出遅れたスピルバーグ。
 やや離し気味に逃げるゼロス。トーセンホマレボシの直後のクラレントとディープブリランテが前の2頭をマークしていないので、2番手3番手の間が大きく開き、場内はザワザワつき、ただならぬ予感。
 No6 4コーナー手前でトーセンホマレボシがゼロスに並びかけようとスパート。あまり間が開いてしまったので、岩田騎手がこれはマズイと感じとったのか、自ら手綱を急かして前を掴まえに行きます。直線で前を行く2頭を早めに掴まえに出たディープブリランテ。内でしぶとく粘るトーセンホマレボシ。好位置を手応えよく展開していたグランデッツアが坂を上がってから急激に脱落。懸命にステッキを振るう岩田騎手のディープブリランテ。さすがに4角手前から仕掛けて長い直線追い通しでは、やや脚色が鈍り気味。
No7  そこへ外から満を持していたかのように凄い伸び脚でフェノーメノ。内のブリランテとゴールでは並んで入線。その直後からグイグイと並んで鋭く迫って来たのがワールドエースとゴールドシップ。この2頭は明らかに時すでに遅しで4、5着。最内で踏ん張ったトーセンホマレボシすら捉えることは出来ません。
 2頭の写真判定はディープブリランテが優勝。岩田騎手は日本ダービー7度目の挑戦で初栄冠。引き上げてくるスタンド前、ブリランテに顔を埋めるように号泣する岩田騎手。
No8 No9
No10 No11
 「新馬戦で乗ったときからGIが獲れる自信があった。だから先生にダービーまで載せて欲しいと頭を下げてお願いしました。死ぬ気で信じあえた結果が今日の勝利に繋がったのだと思う」と、涙まじりの万感の思いで語る岩田騎手。スタンドは惜しみない拍手で彼を称えました。