先手を主張!後続を黙らせた見事な武豊Jの秘策!
それは芸術的な戦法でした。単勝2.6倍に推された1番人気のインティ。まわりを見ながら主導権を主張したインティの武豊騎手。さすがこの戦法で向かってくる敵を黙らせることに成功したのです。 今年最初のGI「フェブラリーステークス」は、過去3年のフェブラリーSの覇者が3頭も揃い踏み。豪華版の一戦となりました。 人気の中心は無敵の快進撃を続けているインティ。そして、一昨年の優勝馬ゴールドドリームが2番人気。昨年の覇者ノンコノユメは意外にも7番人気。3年前の勝ち馬モーニンも案外で9番人気。 実は今年のフェブラリーSは、ある意味で競馬界に一石を投じる一戦でした。それはコパノキッキング(4番人気)に騎乗した藤田菜七子騎手。女性騎手としてGI騎乗はJRA史上初めてのケース。 競馬社会は以前から男社会。まして重賞のみならずGIともなると、分厚い鉄の壁が前を大きく遮っていたように思います。 そこへ風穴を開けるべく連勝中の勢いを見せているDrコパさんの持ち馬コパノキッキングに騎乗できるチャンスを得たのです。 「騎手としてデビューしたときからGIレースに騎乗することが夢でした。オーナーのコパさん、村山先生、そしてスタッフの方に感謝しております」と、藤田菜七子騎手。 1番人気の武豊騎手も「彼女だけには負けたくないなぁ~」と苦笑い。 いろいろと思いが交差する中で、ゲートが開きました。いきなり出遅れたノンコノユメ。スタートが良かったサンライズソアが先頭に出ましたが、その内からインティが先手を主張。それを確認した田辺騎手のサンライズソアが2番手に控えます。何が何でも行きたいとコメントしていたサクセスエナジーもインで、2、3番手を仕方なく追走。 モーニンが前の動きを見ながら好位。そのあとに内からユラノト、それに並びかけようとするゴールドドリーム。中団からオメガパフューム。そして外目をコパノキッキング。出遅れたノンコノユメの内田騎手が仕掛けて中団くらいに上がって来ました。 クインズサターンが最後方でしたが、外に折り合い重視したコパノキッキングが位置を最後方に下げました。 前半3ハロンの入りが35秒8。ここ3年が34秒1、34秒0、34秒1だったことを考えると、かなり遅い流れ。過去10年で一番遅いペース。まさにインティ・武豊騎手の展開でした。
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