「今年も休養明けの馬が勝つ!」と、考えていた通りデータは生きていました。迎えて第47回目を迎えた新潟、関屋記念。年を重ねるごとに或るひとつの確実性を持ったデータが浮上していました。
それが、ここ6年続けて勝ち馬は休養明けというパターンだったのです。昨年の優勝馬レインボーペガサスは2月以来の実戦で、一昨年のレッゴーキリシマが前年の11月以来の登板。カンパニーも秋の天皇賞からぶっつけ本番だったわけで、休養を十分に取ってきている馬が、順調に使い込んでいる馬よりも圧倒的な強さを見せつけていたのです。
とくに今年の夏は7月に入るとグングン気温が上昇。そういった状況下では、充電して臨んできた馬のほうが、体調的により分があるだろうと考えるに至ったのも、しごく当然なことでした。
しかも、直前で人気の中心になりそうだったトライフアンマーチが回避。となると、安田記念以来2ヵ月ぶりの実戦になるドナウブルーが1番人気に押し上げられた形。安田記念が14番人気で10着でしたが、支持の上ではなんら減点にはなりませんでした。2走前のヴィクトリアマイルで7番人気ながら半馬身差の2着。2番手をしぶとく粘りこんだ内容を高く評価されたようです。
2番人気がエアラフォン。昨年の関屋記念2着馬で高速馬場の高速決着は望むところ。川須騎手から岩田騎手にチェンジして、いわゆる“勝負気配”?
意外だったのはシルクアーネストの3番人気。直前のNST賞で大外からラスト33秒0の豪脚で肉迫。出遅れなかったら・・との思いをしたのですが、この猛暑の中、5月に走り、6月は2走、7月に入ってNST賞を使って中1週。こんな使い方で関屋記念は無理。過去のデータが示す通りです。私は自信の無印。
ドナウブルーが最有力には違いないけど、同じヴィクトリアマイルに出走したマイネイサベル。「3ヶ月休養させてここ一本に狙いを絞ってきた」と、水野師の言葉に意気込みを感じ◎。ヴィクトリアマイルで手応え十分に直線に入ったものの最内が開かず、追い出しが遅れてしまい、ゴール直前で肉迫したものの及ばず6着。それでも1番人気のアパパネとクビ差。3着マルセリーナとわずか0秒2差だったことから判断して、同じ左回りのマイル戦だったら行ける!と考えたのです。しかも、新潟は新馬勝ちし、新潟2歳Sの覇者。ドナウブルーとマイネイサベルの4歳牝馬勢で決まりだ!くらいの心境でした。
さて、レースは予想通りに一昨年の優勝馬レッツゴーキリシマが飛び出し、内のエーシンリターンズが直ぐに控えたために単騎マイペースの逃げ。ペースが遅いと判断したドナウブルーの内田博騎手が3番手から2番手を窺う勢い。昨年の優勝馬レインボーペガサスが好位4番手。その直後に早めのマイネイサベル。
エアラフォンは後方の外側に位置。シルクアーネストとスタートでモタついたゴールスキーも後方。同じ後方グループにはスマイルジャックがいて、最後方はネオサクセス。
前半の半マイルが47秒0で1000m通過が58秒7と、高速の新潟の馬場ではスローに近いペース。
これで大きな明暗を分けたのです。2、3番手にいたドナウブルーとエーシンリターンズが、逃げたレッツゴーキリシマには気を取られず、追い出しは直線中程から。内にエーシンリターンズで外から馬体を併せたドナウブルーが、懸命の叩き合いを展開。ゴール前で好位置にいたマイネイサベルもよく伸び、インから鋭く追い上げたスピリタスがマイネイサベルを捉えて3着。
ゴール前で激しい叩き合いを演じたドナウブルーとエーシンリターンズが、写真判定にモツれ込む激闘。結果はクビ差ドナウブルーが相手を競り落として優勝。
夏は牝馬だ!とばかりに1、2着が4最と5歳の牝馬。マイネイサベルも位置取りは問題なし。ただ、レコード決着で前で展開した優勝馬にラスト32秒台で決められたのでは、4着でもやむなし、といったところでしょうか。
<br /> ゴールスキー、スマイルジャックとも最後にいい脚を見せてくれたのですが、今回の流れでは5、6着でも仕方ありません。
3番人気のシルクアーネストが12着と凡退。2番人気のエアラフォンに至っては最下位の18着。馬体が14K増加していたとはいえ屈辱的な成績になってしまいました。体調に問題があったようです。絶賛していたパドック解説者シッカリ?!