昨年の新潟2歳Sを見事制したのがモンストール。2着がジャスタウェイ。ともに新馬を勝ち、2戦目が新潟2歳Sでした。そのときの勝ちタイムが1分33秒8。9年ぶりに1分33秒台の決着。タイレコードでした。ワナが持つレコードと同じ時計でしたが、ラスト3ハロンが、昨年は33秒1だったのに対して、ワナのときは34秒7。競走馬のレベルがアップしているとはいえ、キャリア2戦目で1分33秒8、ラストが32秒7を叩きだしたモンストール。当時、ブログでも書いたのですが、おそらくモンストールはこの後で、その反動がきつくて当分立ち上がれないのではないか、と考えました。
実際、2ヵ月後の3戦目、京王杯2歳Sで1番人気に推されたものの4着。そのあとノドの手術をして、スプリングSから戦列にカムバックしたものの新潟2歳S当時の姿はなし。ボロボロの成績。今週の新潟記念に久しぶりに登録。ダービー以来の登板ですが、少しでも思い出してくれるでしょうか。
そして、今年は昨年を上回るレコードの決着。1分33秒5、レースの上がり3ハロンが34秒6。キャリア3戦目、未勝利を勝ったザラストロでした。今年は雨が少なかったこともあって、開幕当初から新潟は高速タイムのラッシュ。そのぶんを考慮しても、自己の持ちタイムを大幅に更新。それも直線大外をまわってレコード勝ち。これには私自身も衝撃でした。
大外から思い切って飛び出した18番のモーニングコール。2番手以下の差をグングン広げていきます。前半の半マイルは46秒9、1000m通過が58秒9。特別速いペースではなかったものの、新潟外回りコース独特のペースが落ちるところがなく、やや縦長で展開する形。
4角を快調に引き離したまま飛ばすモーニングコール。2番手グループがミナレット、ダリア賞2着の人気エフティチャーミー、サウンドアドバイスが追走。そして最内の経済コースをサウンドリアーナ。柴田善騎手のクラウンアトラス。コスモリープリング。更にその直後のインに内田博騎手の2番人気馬カラフルブラッサム。その後ろにノウレッジがいて、同じところには1番人気のメイショウオオゼキ。出遅れたナンヨーケンゴーと同じく出負けしたザラストロが後方グループ。
快調に逃げまくったモーニングコールは、さすがに直線中程で力つきると、好位グループの馬も伸び脚がなく、そのとき最内からノウレッジが素晴らしい反応で、ラチ沿いをグングン伸びてきます。同じくインサイドにいたサウンドリアーナがしぶとい脚で食い下がります。そして直線大外から矢のように伸びてきたザラストロ。あっという間に前の2頭に迫り並びかけます。3頭が後続を離し、激しいデットヒート。それでも外のザラストロが最後まで良く伸びて2頭を捉えて優勝。
2着がインサイドから力強く伸びたノウレッジ。半馬身差遅れてサウンドリアーナも大健闘の3着。
2着ノウレッジはダート1200mの新馬戦で優勝。初芝、初距離をいとも簡単に克服。その資質の高さに敬服です。また、中京の新馬戦を頭差競り落として優勝したサウンドリアーナ。過去に新潟経験組が攻勢をみせてきたことからも、この3着は価値があります。
一方で優勝したザラストロは柴田善騎手が2戦とも騎乗。今回は松岡騎手にバトンが渡りましたが、外をまわるロスがありながら優勝。着差以上の内容がありました。考えてみれば、福島のデビュー戦で出遅れ、小回りコースに苦労しながらマイネルホウオウの3着。勝ち馬はコスモス賞2着。今週の札幌2歳Sでも有力候補。また、福島の新馬2着だったポップアップハートも2戦目の未勝利戦を快勝。レベルの高い新馬戦だったのです。
私は今回の新潟2歳Sは緩い流れになると判断。好位置で展開するクラウンアトラスに着目しました。新潟の新馬戦では好位置で展開し、余裕力十分にラスト33秒9で後続を完封。新潟で勝ち上がったザラストロ、ナンヨーケンゴーを捨ててチョイスしてきた柴田善騎手の手腕に期待したのですが残念です。直線中程で外に出そうとしたときに、その外から寄られ意気消沈したのか急激に減速。最後は柴田善騎手も無理に追わず流し気味にゴール。秋の中山、東京で大変身しても不思議のない1頭です。
いずれにしても、真夏の炎天下の中レコードで走り抜けた逸材ザラストロ。昨年のモンストールの例もあり、その反動がどうしても気がかりです。
猛暑の中でレコード決着となった新潟2歳S。どうしてもよぎる不安!
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