クラシックへ向けてコパノリチャードが好発進しました。今回の「アーリントンC」はコパノリチャードにとって春のクラッシクを迎える上で、大きなターニングポイントでした。断然人気の単勝2.2倍。馬主のDr・コパさんいわく「コパノリチャードは負けられない、負けてはいけない」一戦だったのです。
白梅賞で主導権を取り、そのまま余裕綽々と5馬身差の独走劇。時計がマイル1分33秒9、ラスト34秒7。1週前に行われたシンザン記念を逃げ切った1番人気エーシントップが1分34秒3、ラスト35秒7。どちらが優秀かは一目瞭然。
さらに京都金杯で2着だったトライアンフマーチが1分33秒9で、ラスト34秒7の比較からも、キャリア2戦で叩き出したコパノリチャードの性能は、素晴らしいものがあると見ています。
こんな強い馬に無謀にもケンカを売りに出て行ったのが国分優騎手のカシノランナウェイ。もっともコパノリチャードにとっては、まったく動じなく、少し行きたがるのを懸命に御して、2番手で我慢することを教えるかのようなビュイック騎手。好発の2番手から3番手に下げて、このリチャードを徹底的にマークだったのが2番人気のカオスモス。こうした競馬で千両賞では、コパノリチャードを破った馬です。
前半の半マイルが48秒3、5ハロン通過は60秒7。予想されたスローペース。このままの形でレースは進み、まさにラスト3ハロンの勝負。
4角では逃げたカシノランナウェイの直後でいつスパートするか、持ったままで回ってきたコパノリチャード。直線に入り仕掛けると、あっという間に先頭。そこからビュイック騎手が大きなフォームで追い出しをかけます。2番手以下を突き放すか、ステッキが激しく飛びます。直線外から伸びてきたレッドアリオンの内からリチャード以外には負けるわけにはいかない、との声が聞こえるくらい内田博騎手のカオスモスが追います。
抜け出したコパノリチャードも白梅賞のようなわけにはいかず、とはいえカオスモス、レッドアリオン以下に1馬身半差の快勝。
1分34秒8、ラスト34秒0。スローで時計はともかく、ラスト34秒1のレースの上がりタイムは過去10年でベスト。優秀な内容でした。
「コパさん、今日は相手に恵まれたから勝てましたが、もっと上のレベルの馬だったら差し込まれていたかも知れませんよ。スローの2、3番手で脚を溜めるというレースは、将来はともかくとして、リチャードのベスト・パフォーマンス引き出すということにはなるでしょうか」と、疑問をぶつけてみました。
それに対して「どうもビュイック騎手は白梅賞で騎乗していたせいか、どう乗っても勝てる、くらいの気持ちでいたらしいですよ」とコパさん。
続けて「次は皐月賞に行きます!今度は自分のペースで逃げます」と、皐月賞に期待を繋げていました。
皐月賞の有力馬にノシ上がったコパノリチャード。今週は中山で有力馬が登場する「弥生賞」。またどんな有力候補が台頭して来るのか、皐月賞戦線は、ここへきてヒートアップしてきました。