fbpx

人気馬総崩れの桜花賞トライアルは先が見えない“煙霧”的様相!?


  3月10日の中山競馬場は、スタンドから向う正面の外に見える武蔵野線の電車が、まったく視界に入らず、黄色やピンク色にも見える煙のような土埃、砂埃が競馬場を覆い、強風に煽られて、目や口の中に飛び込んできました。この状況を当初は中国本土から襲来している黄砂?とも考えたのですが、正式的には“煙霧”だということです。

 この日、阪神では桜花賞トライアルの「フィリーズレビュー」が行われました。すでにこの日までに「チューリップ賞」、フィリーズレビューの前日に中山で行われた「アネモネS」が終了。

 チューリップ賞では1番人気のレッドオーヴァルが7着。2番人気で阪神JFの優勝馬ローブティサージュが9着というショッキングな敗退。アネモネSでは1番人気のサクラディソールがクラウンロゼの3着。そして、フリーズレビューを迎えたわけです。

 1番人気が芙蓉Sを圧勝し、阪神JF2番人気に推されたサンブルエミューズ。岩田騎手が騎乗し期待が集まりました。2番人気は阪神JFで3番人気ながら不利もあって大敗したもののファンタジーSでローブティサージュを寄せ付けなかったサウンドリアーナ。今回初めてコンビを組んだ戸﨑騎手は、1週前の調教にも栗東に出張して騎乗。当然ながらこの2頭に期待が集中。

1 2 3

 レースは主導権を取ったサマリーズ。内からナンシーシャインとサンブルエミューズ、そして大外からダートを専門に使われていた11番人気のティズトレメンダスが急追。サウンドリアーナがこの直後を追走。ノーブルコロネットもいます。中団の馬込みの中にメイショウマンボ。

 3角で逃げたサマリーズに外からティズトレメンダスが並びかけて先頭に立ちそうな勢い。サンブルエミューズと外にラトーナが続きます。ナンシーシャインが内で外にはニシノモンクス。サウンドリアーナも好位置のイン。その直後にノーブルコロネットで、外にシーブリーズライフ。これを見る形でインにメイショウマンボ。

 前半3ハロン通過が34秒9。ここ2年が34秒1、34秒3ですから、やや先行馬に有利な流れ。

 そして4角手前の5ハロン通過が58秒0。先頭がディズトレメンダス。2番手に下がったサマリーズとラトーナ。その直後には内にナンシーシャイン、その外にサンブルエミューズ、ニシノモンクス。後ろではインにサウンドリアーナが進路を探しています。内を狙ってノーブルコロネット。外にシーブリーズライフ。中団内からメイショウマンボが仕掛けていますが、なかなか一気には詰まりません。

4 5 6

 快調に逃げたディズトレメンダスにナンシーシャインが直線並びかけて一気に先頭。2番手にサンブルエミューズが進出したものの脚色がよくありません。好位置で追い出しを待っていたサウンドリアーナの戸﨑騎手が懸命に前を追います。

 そのときでした。直線でうまく外に出したメイショウマンボの末脚が抜群。あっという間に前を捉えると力強くゴールを駆け抜けて、こぶし賞に続き2連勝。

 2着は内から早目に先頭に立ったナンシーシャイン。前半主導権を取ったディズトレメンダスが、窮屈な最内から鋭く迫ったノーブルコロネットをハナ差振り切り3着。ノーブルは新馬勝ちした強いインパクトから◎で応援したのですが、前の馬が邪魔になり実に惜しい4着でした。1勝馬で残念ながら桜花賞出走が絶望的。

 1番人気サンブルエミューズが11着。2番人気サウンドリアーナが7着と大敗。ともに不本意な結果で桜花賞を迎えることになり、クラシック戦線が一段と混沌としてきました。

7 8 9

 一方で、中山で行われた「アネモネ賞」は、直線で1番人気サクラディソール、3番人気ジーニマジックの外からグイと伸びた2番人気のクラウンロゼが優勝。これで新馬→フェアリーSに続く3連勝。新馬10番人気、フェアリーSも10番人気。まったく見向きもされなかった馬が、本番の桜花賞に堂々胸を張って乗り込んで行きます。