そのとき、武豊騎手は負けないことを、確信したそうです。4コーナー手前で、今まで感じたことがないくらいの凄い手応え。もう彼には思い残すことがないように、走らせて上げたい。この2年間、いつも彼のことばかり考えて来た、という武豊騎手。あの時、そして、あの時の場面が走馬灯のように瞬時に流れていったのでしょう。
その通り、まさに異次元の破壊力でバッサリ。ディープインパクトは相手に別れを、そして最強の強さを誇示するかのように、伝説の3馬身差。
スタンドは大歓声と拍手で武豊・ディープインパクトを迎えます。そして、すぐにディープ・コール。涙しているファンもいます。
昨年、有馬記念を制したハーツクライがJC後に現役をリタイア。強いライバルが消えてしまったとはいえ、勝ち時計が昨年の優勝タイムと同じ2分31秒9。ディープはわずか0秒1詰めたに過ぎないものの、なんとラスト3Fが脅威の33秒8。レースの上がり3Fが35秒4ですから、まさに周りの時間が止まった観。ディープ自身も昨年の有馬記念のラスト3Fが34秒6を約1秒近く短縮。驚くべき馬です。
武豊騎手はいいます。本当に今でもディープインパクトは世界で一番強い馬だ、と思っていると。
私は3歳馬ドリームパスポートに期待しました。直前の調教でステッキが強く入っていたことから、少し重いのかな、と考えましたが、本番はプラス12kgの馬体。成長分をも見込んでも余裕のある造り。結果は4着。レース中のポジションは文句なし。ところが、直線に入ってから前がカベ。外に出そうとしたところ、そこへ外からポップロックがかぶせて来て、万事休す。体制を立て直して追い上げたもののゴールでした。2着はあった内容です。JCで厳しい競馬を強いられて、ディープインパクトと2馬身差。3歳の成長力を合わせて、来春の天皇賞最有力馬です。
SNAP SHOT 披露いたします
[左]TBSラジオ有馬記念特集「エキサイトサタデー」で元木大介さん、青木真麻さんと。さようならディープインパクト引退式。感動と涙で大興奮。
[右]有馬記念当日、東京競馬場AM11:40 センターコートステージ・トークショー。司会の桜井悠美子さんと。
今週は東京大賞典
今週、12月29日(金)はTCK大井競馬場で今年ラストのGⅠ「東京大賞典」ダート2000mが行われます。
2年連続このレースを制している王者アジュディミツオーが、内田博騎手とベストコンビで出走の予定。ただ、6月の帝王賞以来の実戦。フルに能力を出せるかどうか気がかりです。JBCクラシック2着のシーキングザダイヤ、変わらず好調のブルーコンコルド、カフェオリンポス、ハードクリスタルといったJRA勢との対決になりそうです。
この日、私がイベントに出演します。「東京大賞典」直前トークライブ。
第8レース終了後、15時5分ごろから。トゥインクルステージで。注目のゲストはヤクルトの川島亮投手。司会は目黒貴子さん。楽しいイベントにしたいと思います。