東京の今年の桜の開花は、例年よりもやや早かったそうですが、開花宣言のあと、強力な低気圧に見舞われたとはいえ、懸命に枝にしがみ付いてくれました。ソメイヨシノの君、楽しませてくれてありがとう! 感謝感謝です。
過日、近くの弁天の森というところに行ってきました。川を挟んで、おお、我が世の春。ところ狭しと、ソメイヨシノの君が咲きほこりけり。一陣の風にひらひらと舞う花びらに、一時、一瞬の雅の世界の絵巻物物語。
桜といえば、今週は桜花賞。4月8日夜、西麻布交差点そばにある鳥料理の「鳥萬み」で、馬主の伊達敏明さん、弟の泰明さん兄弟と会食。敏明さんとは何度かこの店に来ており、紹介された女将さんが粋でこざっぱりとした情の深い評判の方。早乙女太一の父でもある劇団朱雀の座長でもある葵陽之介さんを案内したこともありました。
「本当にうまいすねー。太一が鳥料理好きだから、食べさせてあげたいです」と、陽之介座長。女将さんも私の紹介で太一ファン。歓喜する女将さん。もちろん、この日以来、座長にも肩入れ。
「アベコーさん、今週の桜花賞は難しいでしょう」と敏明さん。
「まあ、重賞を2勝しているのが1頭しかいませんからね。人気もかなり割れそうだし、かえって穴党としては、やりづらいんですよ」と私。
「ああ、なるほどねー‥。うちのにもチャンスはありますかね?」と敏明さん。
「シャランジュですか。そうそう、遅れましたが桜花賞出走おめでとうございました」
「ありがとうございます。うちの牧場から出た馬で、クラシックに出走させられたことが、もの凄く嬉しいです。やはり、牧場の最大目標でしたから」と泰明さん。
「いやあ、◎を打ったクイーンCで10着に負けたときには、どうなることやらと思ったのですが、アネモネSで良く巻き返してくれましたよ。もっともその前の週、村田騎手がずいぶん良くなってきています、と言っていたし、本間調教師も間違いなく良くなっています、というものだから重い印をつけないと、思って○にしたんです。この時は◎をソーマジックと決めていたものですから、○か▲か迷って結論は○。まあ、大正解でしたね。笑い」
「さすがアベコーさんですね、まあ、テンビーの仔でガサはないけど、いい根性を持っていますよ。この馬は前に四位クンに乗ってもらったんですけど、やはり、いつも乗ってくれる村田クンに乗せて下さい。と調教師にお願いしましたよ」と敏明さん。
「彼も意気に感じているはずです。今年はどの馬にもチャンスがあるから、シャランジュの末脚は楽しみです。新潟2歳Sのラスト33秒0の脚は忘れられません」と私。
と、板場から板長がこられて
「今夜は前祝ですか。シャランジュの旗を作って応援にいきますか」というと、
「板長、馬主の間では昔から前祝はNGなんですよ。マナーかな」と敏明さん。
「まあ、まったく入着すら難しい馬ならともかく、今年の場合はほとんどの馬主さんが、いけるかもと、思っているわけですからね‥」と私。
まあ、小柄なファイター・ウーマン、シャランジュが無事に走って来てくれること。できれば掲示板に、もっというなら馬券の対象に。勝ってまた鳥萬みで、今度は祝杯を!と願いつつ春の西麻布の宵は更けて行くのでした。