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高速コンディションに状況が激変!その利を得た馬はコレだったか!!


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 天気予報が一夜にして一変したり、予報外のことが急転して起きたり、晴れ・曇り・雨の3点予報だとはいっても、これを予想してズバリ当てるというのは、それを専門にして歴史を重ねてきた気象庁といえども難しいようです。

 先週の土曜日は雨の予報だったのが芝良馬場。500万の牝馬限定戦がマイル1分32秒8で驚きのタイム。そして、日曜日は未明から雨。昼頃には雨が止んだといっても芝が重馬場で、ダートが不良馬場。しっかりと雨を吸収した東京競馬場の芝。これまでが雨が少なく乾いた馬場にはある意味で恵の雨となったようです。

 ところが、この日のメインが重賞「ユニコーンS」。3歳馬同士でダート1600mを争う一戦。出走馬のほとんどがダートの道悪を経験していなかったのです。脚抜きのいい馬場コンディションになって、芝並みの高速決着となったら、1番人気のサウンドリアーナは追い込みきれるのだろうか?ダート3戦3勝のチャーリーブレイヴは、ヒヤシンスSのときのように走れるのだろうか?次々と不安が襲ってくる中でスタートが切られました。

 東京競馬場のダートの1マイル戦はスタートしてから芝が続きます。とりあえずこの芝で流れに乗り切れないと厳しい戦いが強いられるのです。

 それが人気のチャーリーブレイヴに襲いかかりました。雨でスタートの際に脚をすべらせたのか出遅れてしまったのです。東京ダート1600mは、ヒヤシンスSで優勝していることから問題ない、というよりも有利とさえ思えたのでしたが、好スタート決めたヒヤシンスSとは同じ舞台なのに勝手が違いました。結果は後方から直線ジワジワと差を詰めただけの8着。脚抜きがいい馬場なのにヒヤシンスSよりも遅いタイムだったのです。まさに雨とスタートが災いした印象でした。

その辺りは騎乗していたウイリアムズ騎手も「ゲートが悪くて、頭を上げてリズムよく走れていなかったね。ビデオで見たイメージとは違いました」とコメント。

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同じようなことは私が期待したエーシンレンジャーにも言えると思います。こちらはマズマズのスタートで好位置を確保。3角で手応えバッチリとインの3番手。ところが、ラップが11秒台に上がったラスト600mあたりから、手応えが今ひとつ。そのため一気に仕掛けてきた後続に前に入られて厳しい形の競馬。それても一瞬、伸びかけた場面があったのですが、内で馬群に飲み込まれてしまいました。レースの上がりタイムが35秒4、好位置で手応えよく追走していたエーシンレンジャーには願ってもない形でしたが、逆にこの速い上がりタイムの決着に対応できなかった印象でした。

騎乗した石橋騎手は「距離が長いかも・・」というコメント。ヒヤシンスSでハイペースを人気の強豪コパノリッキーと同じ位置で追走し、コパノリッキーとハナ差の大接戦。1分36秒8で走り抜けたのです。今回は1分37秒5で13着。ヒヤシンスSを大きく下回るタイムだったのです。これは距離ではなく雨で上がりの速い決着に対応できなかったからだと思います。

チャーリーブレイヴにエーシンレンジャーはともに雨で脚抜きがケタ違いによくなった馬場コンディションが大きく災いしたと見ています。

反面、優勝したベストウォーリアはこういった馬場コンディションが幸いしたともいえます。スタートで出負けしたもののエーシンレンジャーの真後ろのインでジッと我慢。直線では前がカベになり追い出しが待たされましたが、ラスト200mで内側に進路を取ると、一気に突き抜けてゴール。ラスト3ハロンが35秒0。ヒヤシンスS1週前の東京でダート1600mを勝ったときが1分38秒3。当時のタイムを2秒3も短縮する変身ぶり。高速馬場のダートが大きく後押ししたことは間違いありません。勝者にとってはありがたい雨でした。

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 この日の1番人気、武豊騎手のサウンドリアーナは、折り合いに専念して後方で展開。自信のある末脚にすべてを賭けます。直線大外から1頭際立った末脚でグングン先頭に迫ります。とはいえインを走った勝者に対して大外という有利不利は大きく、ラストはメンバー最速の34秒9という芝並みの破壊力を見せつけたのですが、捉えるところまでいかず2着まででした。

 雨の高速馬場がもたらした今回のユニコーンS。パワフルさを要求される良馬場のダートで、また違ったドラマの展開があるかも知れません。

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