わからない、わからない、ゼンゼンゼンゼンわからない!その日にならなきゃわからない、今さらいっても仕方がない・・モモクロでも歌っていそうなのが天気予報。
この日、福岡県下は真夏の晴れ予想。ところが、日曜の当日は、一転して雨空。それでも昼前には止んで、太陽が雲の間からのぞいてくれるものと期待していたのですが、それも見事に裏切られました。
午後に入り6レース前から小雨がパラつくようになり、レースが重ねられていっても、雨が一向に止む気配にはありませんでした。そして、雨の中で小倉記念を迎える段になったのです。
1番人気は何かと、のぞくと七夕賞を圧勝したマイネルラクリマ。続いて、昨年の覇者エクスペディション。そして、準オープンの天の川Sを制したメイショウナルトが3番人気という順位。さらにダコールが4番人気で、私の◎ラブリーデイが5番人気という順番でした。
今年はメイショウサミット以外に、少し強引にでも先手を主張してきそうな馬が見当たらず、サミットのマイペースの逃げは確実な情勢。開幕2週目、パンパンの良馬場であれば、前で対応する馬に展開上は有利な条件だな、と、私は考えたのです。
ところが、それは想像を超える結末を迎えることになったのでした。スタートと同時に主導権を取りに出たのが、案の定、メイショウサミット。外からタムロスカイ、その外にゲシュタルトを従えて、一気に先頭に立つと、そのままペース・ダウンすることもなく快調に飛ばします。
好位置にはインからメイショウナルト、外からマイネルラクリマ、その直後にラブリーデイ。ミキノバンジョーも外から接近中。そして内側にエクスペディションで、ダコールは例によって最後方。
前半の半マイルが46秒2で、5ハロン通過が58秒0。雨が降る馬場状況を考えると、大逃げを打った形のメイショウサミットが、予想外のハイペースで飛ばしていきます。離れた2番手にタムロスカイ、ゲシュタルトが陣取り、その直後を外にマイネルラクリマ、内にメイショウナルト。その後ろがラブリーデイで虎視眈々。中団内にはエクスペディション。ダコールは後方で動かず。それとも雨で動けないのか?
そして、3角過ぎでした。ここが勝負どころと判断した武豊騎手。好位からメイショウナルトが一気に仕掛けて先頭に立ちます。同じ勝負服のメイショウサミットの太宰騎手は、それをわかっていたのか、無駄に抵抗しません。
マイネルラクリマの柴田大騎手もこれを見て、すかさずナルトについていきます。ラブリーデイも外から動きます。中団からエクスペディションが追撃態勢。後方から大外に出したのがダコール。
4角を先頭でまわってきたメイショウナルトの脚色はますます快調。これを必至で追うマイネルラクリマ。そして、その外に馬体を併せようとラブリーデイ。
二の足を繰り出して頑張るメイショウナルト。直後に迫っていたラブリーデイが、ゴール寸前でラクリマに並びかけます。
逃げ込みを計るメイショウナルトがそのまま後続を押し切って念願の初重賞制覇。それも驚いたことに雨が降る馬場コンディションの中で、1分57秒1のレコード勝ち。これは衝撃的でした。この時計は今開催の残りの小倉競馬を占う上で大きな重要材料。そして未来のメイショウナルト自身に、大きな財産を残したような気がします。
そして、前半の入りといい、位置取りといい、仕掛けどころのタイミングといい、Mr・武豊騎手には、正直、脱帽です。4角でメイショウサミットに外から並びかけて行く作戦が常道かな、と考えたのですが、馬場状態、小倉の特殊性を考慮し、加えて軽ハンデの利。後続を待ってヨーイドンをあえて避けたような作戦。本当に見事でした。
ラクリマを捉えたラブリーデイが2着。ラクリマが58Kを背負って頑張り3着。大外からゴール寸前で追い込んだダコールが4着。エクスペディションは雨馬場が応えたのか、6着と動けず。
このあとサマー2000シリーズは新潟記念を舞台を移すことになります。どんなドラマが期待できるのでしょうか。