fbpx

◎アンコイルドでヨシャー!一転まさかのヒットザターゲットに卒倒!!


これは事件です。まさか、まさかの事件です。GⅡ「京都大賞典」で、11番人気ヒットザターゲットが大外から力強く直線一気に強襲。見事に差し切り勝ちを決めたのです。これは悪夢?!目をこすったほどです。

020

宝塚記念以来の実戦。その宝塚記念でゴールドシップから2秒4もちぎられたドンジリ負け。小倉大賞典を勝っているように小倉巧者。京都は5戦連対ゼロ。3着が1度あるだけ。2400mの距離でも良績なし。時計も平凡。ほとんど、いやまったく良いところがないのです。

そんな馬が皐月賞、菊花賞、有馬記念、宝塚記念を圧勝したゴールドシップを負かせるなんて、さすがの私の夢にも出現してきませんでした。

ところが、競馬というドラマは、ときに予測のつかないドラマを引き起こすことがあるのです。

戦前、私は2400mという距離、そして強力な逃げ馬が不在だったことから超スローという見方をしていました。昨秋の福島500万から破竹の勢いで4連勝。一気にオープン入りして、先の函館記念では秋の天皇賞に直行する人気の一角トウケイヘイローの2着。札幌記念でもひどい重馬場と闘いながら再びトウケイヘイローの3着。間違いなくスケールアップしてきているはずでした。しかも、スローの流れを前で対応できる展開上の魅力があったのです。ゴールドシップ、トーセンラーの有力馬は、このあとが本番のGI。アンコイルドにしてみれば、GI出走にはどうしても賞金面での加算が必要。全力投球の一戦だったのです。

ところが、1番枠ということからも前に出て先行するはずでしたが、スタートでモタつき後方。「ゲートを蹴っていて遅れてしまった」と吉田隼人騎手。

012 013 014

真ん中から何が行くのかな、という感じでヴィルシーナの岩田騎手。直後にニューダイナスティとトレイルブレイザーが続きます。そのインにアドマイヤラクティ。その真後ろにヒットザターゲット。スタートでいつものように後手にまわったゴールドシップが、外から仕掛けて前に上がって行きます。トーセンラーにトゥザグローリー。そしてその後ろにアンコイルド。

前半の半マイルが48秒8、1000m通過は61秒4、半分の1200m通過が1分13秒8。予想されたとはいえ超スロー。

2コーナーは内にヴィルシーナ、外にニューダイナスティ。直後のインにアドマイヤラクティ、外にトレイルブレイザー。そしてこれらをマークする形でゴールドシップ。直後の内にはヒットザターゲットがいます。中団の内にはアンコイルドとトーセンラー。

そして、それは半分の1200を過ぎたときでした。動きが激しくなり状況が一転。ハロンのラップが11秒台に上がりました。

3コーナー先頭に立ったニューダイナスティの和田騎手が押して先頭に立ちます。これにトレイルブレイザーが続き、ゴールドシップの内田騎手の手綱が激しく動きます。内でヴィルシーナとアドマイヤラクティが置いて行かれる感じ。外を仕掛け気味にトーセンラー。中団のインいたヒットザターゲットが後方に下がります。その後方にはアンコイルド。

015 016 017

4角を先頭にまわってきたニューダイナスティ、2番手のトレイルブレイザーが失速気味。真ん中からトゥザグローリー、外からゴールドシップ。それに馬体を寄せてきたトーセンラー。内からアドマイヤラクティ。横に広がった叩き合いの中から、外に出したヒットザターゲットが鋭く伸びます。内から馬込みを縫うようにアンコイルドが強襲。ヒットザターゲットとアンコイルドの激しい争いは、外のヒットザターゲットが首差抑えて優勝。

「ソレーっ!」と大声援を送ったアンコイルドが悔しい2着。馬連で9万円か・・。ああ、単勝50倍だったんだけどな・・。

018 019

それにしても、レコードタイムに0秒3差。2分22秒9は過去10年で一番速いタイム。馬力型のゴールドシップには厳しい決着になった印象です。