セイウンワンダーは抜きん出て強い馬でした。出負けして最後方。4コーナーでもシンガリの位置。ここから不良馬場もなんのその見事なラストスパート、強靭な末脚であっという間のゴボウ抜き。大外から突き抜けてしまったのですから一枚役者が違っていたのかも知れません。3年前の優勝馬、ショウナンタキオンも重馬場を楽々克服。これも出遅れて最後方近くから、直線大外一気のスゴい脚であっという間に先頭。5馬身差の独走劇。その時の時計が1分35秒0。今回のセイウンワンダーは不良馬場で1分35秒4ですから、相当能力の高い馬です。グラスワンダーとサンデーサイレンスの配合。初勝利は2番手から横綱相撲。GI朝日杯FSの最短距離に立ちました。
2番人気のガンズオブナバロンは2戦目の未勝利戦で6馬身差の独走。1,800m1分47秒4のレコード勝ち。今年の夏の目玉的な逸材。それゆえ12着は、きゅう舎サイドも納得しかねるところでしょう。良馬場で当然巻き返しを狙って来るはずです。
3番人気のダイワバーガンディは、福島の新馬以来。1,200mからいきなり1,600mで、しかも左回り、長い直線と、不安材料が多すぎました。中山での走りを早く見たい1頭です。
3着だったバンガロールは3番手で流れに乗り、外に出してしぶとく伸びてきました。マリーゴールド賞でツルマルジャパンに猛接近した地力の持ち主。ガッツもたいしたものです。そして、マッハヴェロシティは、今回スンナリと主導権を取れず。キャリア2戦目、この一戦だけで評価を下すのは可愛そうです。ガンズオブナバロンに叩き合いで競り勝った馬。中山、東京でどんな変身を見せるのか楽しみにしたい馬です。
今回、私が期待したのがゴールドスパークル。新馬戦でスタートしてからハミを取らず、3角ではステッキ。しかも、4コーナー入り口でで、進路をカットされる不利。ゴール前でも前の馬が内に寄り急ブレーキ。それでも、間を突き抜けた瞬発力は抜群。重馬場発表でラスト33秒9。この父譲り(ステイゴールド)のガッツと勝負強さに期待したのですが、新馬時の馬場状態と、今回の馬場状態はまるで違いました。小柄な馬には雨で馬力型の馬場コンディションに相当苦労したはずです。3戦目、中山の良馬場で改めて注目したい馬です。
ところで、夏の新潟で私が見つけたイチオシの2歳馬は、ジャッカネイプス(牡・堀きゅう舎)です。デビュー戦は1番人気。結果は3着。当時、マッハヴェロシティが優勝。2着がガンズオブナバロン。今夏一番のハイレベルの新馬戦。前半63秒8の超スロー。前で対応した1、2着馬に有利な流れでしたが、そこを猛然と追い込んできたのがジャッカネイプス。なんとラスト3ハロンが32秒6。間違いなく重賞級、いやGI級の逸材です。アグネスタキオンとコジーンの配合の黒鹿毛。追いかけたい期待馬です。
セイウンワンダー以上の大物がいた新潟夏の陣!!
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