今年の3歳クラシックは春から混戦模様でしたが、ひと夏越してどういう展開になるのか、先週の菊花賞トライアル「セントライト記念」、そして秋華賞トライアル「ローズS」は、大いに注目されました。
当日は中山、阪神ともに雨が降る悪コンディション。初めて経験する馬が多く、仕上がりと馬場の巧拙が左右するだろうと考えていたら、共に人気薄の伏兵が優勝。とくにセントライト記念は、9番人気のダイワワイルドボアが、人気の中心だったマイネルチャールズを撃破。半馬身差でチャールズが2着を確保。
ダイワワイルドボアは休養明けを新潟で2戦。2走前の佐渡特別では成長著しい超良血のキングオブカルトの際どい3着。キングオブカルトはその前のラジオNIKKET賞で0秒2差だったことから、ダイワワイルドボアの潜在能力を評価。オープンでも通用、今回はチャンスもあると思いマークしていたのですが、好位置で流れに乗りチャールズとノットアローンの叩き合いを制しました。菊花賞もおそらく人気薄ですが、大駆けのチャンスは残しています。人気のチャールズはまさに完敗。いつも上位に顔を出す馬ですが、今回しかり、菊花賞で優勝は厳しくなりました。
惜しかったのはダイバーシチー。ゴール前で外から伸びて4着。3着ノットアローンに半馬身届きませんでしたが、内容はこの馬が一番。ただし、運がなかっただけ。私は本馬場入場したときから、素晴らしい馬体と、ダクからキャンターに移るときに、惚れ惚れするような動きに、フッワークに感動。◎印の期待度が、更に凄い勢いでヒートアップ。単・複、3連単、3連複、馬単と強気一色。腰を据えて結果を待ったのでした。
ところが、運命の神様は本当に皮肉。1コーナー手前で故障したリノンリーズン、その煽りで落馬したフジヤマラムセスの影響をモロに受けてしまったのです。これは致命的な不利。それでも、なんとか4角では中団近くまで押し上げて、直線外に出し、グイグイと差を詰めたところがゴール。勝ち馬と0秒2差。1角での不利が大き過ぎました。そして無常にも菊花賞のチケットに半馬身届きませんでした。実に悔しい一戦です。
☆秋華賞は大変なことになる!!
ローズSは7番人気マイネレーツェル、9番人気ムードインディゴ、1番人気レジネッタの激しい叩き合い。鼻・首差で上記の着順。この日の阪神は午後に入り、雷と雨足が強くなり、馬場状態も一気に悪化。ローズSの頃には雨が上がりつつあったとはいえ、雨で濡れた馬場コンディションは、高速馬場から力を要する状況に急速に変化。
その中で、優勝したマイネレーツェル。馬場、枠順、流れと恵まれた面はあったのですが、予想以上の勝負強さ。桜花賞トライアルが11番人気での優勝。敗れたとはいえ桜花賞が内田博騎手で0秒3差、オークスが武豊騎手で0秒6差。ともに人気薄でしたが差はほとんどなかったのです。ムードインディゴもオークスで10着ながら0秒8差。今回は馬体がマイナス18K。これはわすれなぐさ賞を優勝したときの馬体重。クイーンSを叩いて旧に復していました。秋を待たれていた1頭。秋華賞も不気味な存在です。
1番人気だったレジネッタは休養明けのクイーンSをひと叩きしての挑戦。本番は秋華賞だとしても、どうしても取りこぼしが目立ってしまいます。秋華賞でも人気の中心馬。余力を残して本番に、という青写真は出来たのでしょうか。
私は、強烈な決め手、クインーンSでも見せ場を作ったメイショウベルーガが本命。ところが、出遅れ、脚を取られるほどの重馬場で5着。オークス馬トールポピーに先着したことが唯一の得点でしたが、良馬場でこの馬の破壊力に期待してみたい馬です。
いずれにしても秋華賞は3連単の1番人気でも万馬券の様相。またまた大波乱が待ち構えているような気がする3牝馬秋の陣です。