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スローの一人旅とは言うものの過去10年でピカイチだったミッキーアイルという大器!


 

誰もが描いた通りのストーリーほど面白くない、とは言うものの京都で行われたシンザン記念は、ある種、定説を打ち砕く結末となりました。

 この日の、主役、1番人気のミッキーアイル。単勝1.6倍の圧倒的な人気に推されて、ミッキーのサイドは負けられない気迫でピリピリとしていました。

 それもそのはずです。朝日杯FSの前日に中山で行われたひいらぎ賞で、朝日杯FSの勝ち時計を大きく上回るタイムで快走。朝日杯FSの抽せんで漏れならなかったら、朝日杯FSの歴史は変わっていたようにも思える破格の内容でした。

 そのひいらぎ賞の圧勝を受けて、今回のシンザン記念は断然の人気。加えて強力な同型タイプが見当たらないこともあって、単騎逃げ、一人旅は確実。そういった展開面での魅力もあって、人気に拍車をかけているようでした。

 抜群のスタートを決めたミッキーアイル。このスタートの上手さは天性という他はありません。同時に好スタートを決めたニシケンモノノフにモーリス。内枠を利してウインフルブルームが2番手に上がって行きます。

 逃げる1番人気のミッキーアイルをウインフルブルームとモーリスが直後で追う形。ニシケンモノノフと、ワイレアワヒネが好位を追走。中団の内にタガノグランパ。私の注目していたビップレボルシオンはスタートで大きく出遅れ。3角で外からジンワリと中団に進出。

 前半の3ハロンが35秒5。過去6年で一番遅いペース。半マイルが47秒9で、1000m通過が59秒7。高速馬場の京都では明らかにスロー。3馬身くらい間があいた2番手のウインフルブルームはどこで仕掛けるのか、そしてモーリスは・・そこが一番の注目でした。

 逃げるミッキーアイルは1000mを通過したあと、11秒3-11秒0とグンとペースアップ。一瞬、直後のウインフルブルームやモーリスが置かれ気味になります。中団グループの先頭に立って前を懸命に追うビップレボルシオンと、直後のタガノグランパ。

 先頭に立って押し切りを狙うミッキーアイル。少しふわふわした感じがしましたが、最後まで11秒台。2番手からウインフルブルームの和田騎手が必死にしごきます。モーリスはここで後退。タガノグランパが迫って来ました。とはいえ先頭、2番手から大きく離された3着争いでしかありませんでした。

 ミッキーアイルが二枚腰でグイグイ肉薄してきたウインフルブルームを振り切り、見事な逃げ切り勝ち。半馬身差遅れてウインフルブルーム。そのあとのタガノグランパが3馬身半差も水が開きました。モーリスが5着に後退。初めてのマイル戦が応えたのかも知れません。

 1分33秒8、ラスト34秒1。過去のシンザン記念で最高のタイム。レースの上りタイム34秒1も過去最高。まさにGI級のレベル。この1、2着の2頭はNHKマイルCに向かうのか、それとも皐月賞なのか、あるいはこのダブルレースに出走するのか、今年春のGI戦線を左右する大きな2頭となりそうです。