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衝撃!“1分31秒4のレコード”これで本当に大丈夫なのか?!


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 凄い時計が出ました。「1分31秒4」のレコード。まさかこのメンバーでレコードが出るとは微塵も感じていませんでした。

 それというのも、かつてのシルポートのような強力な逃げ馬が不在で、スローはあってもハイペースはない、という見方をしていました。決してそれは間違いではなかったと思います。

 おそらく押し出される形でカオスモスが主導権。そう、カオスモスの一人旅になるに違いない、というシミュレーションが頭の中では出来ていました。開幕週でもあるので前残り確実。有力人気馬はフィエロにしてもエキストラエンドにしても、いつものように後方で末脚を温存。直線勝負い違いないと、頭の中をレース映像が駆け巡っていました。

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 ところが、今回カオスモスは和田騎手がテン乗り。それでも主導権を主張すれば先手は取れたのですが、2、3番手でもいいや、という気持ちの上で余裕があったのでしょう。隣の枠のレッドアリオンが前に出てきて、カオスモスの外に並んできました。和田騎手はここで、どうぞとばかり控える形となってしまったのです。そうすると、内からダノンンプログラマーが2番手を窺う勢いで進出。

 前半の入り3ハロンが34秒9、3年前にシルポートが逃げ切ったときが35秒0、その前の年のリーチザクラウンが先行策から押し切ったときが34秒8。そのときと同じようなペース。ともに1分32秒台の決着でした。これは今年も1分32秒台の決着になる公算が大という思いにかられていました。

 ところが、半マイル、つまり800m通過が46秒4で、そして1000m通過がなんと57秒8。一向にペースが落ちず、これは考えていた以上に速い決着になるかも知れない。カオスモスは大丈夫か、ゴールに向かって私には暗雲が漂って来たのです。

 レースに戻ると、先頭はレッドアリオンで、2番手にカオスモス、その内にダノンプログラマー。オースミナインを抜いてワールドエースが4番手に進出。おっと、追い込みのワールドエースが好位置で対応しているではありませんか。いくらなんでも位置取りが前過ぎるだろう、という思いが脳裏を過りました。

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 ところが、さすがにフィエロの武豊騎手。これは前残りの競馬になる、ということからワールドエースの直後に陣取るという、いつになく積極策。さらにエキストラエンドも今回は後方ではなく中団で、前にフィエロを見てスパートを狙っています。

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 そして、6ハロン通過が1分9秒2で、直線に入って来ました。逃げるレッドアリオンに並びかけようとするカオスモス。それを見ながらジワジワとワールドエースがスパート態勢。仕掛けると迫力の末脚で一気に上昇。1400m通過が1分20秒1というハイラップ。ここで前を捉えたワールドエースが抜け出し、外からグイグイと伸びてきたフィエロを振り切ってゴールイン。フィエロが及ばず2着。そこから2馬身も離れてエキストラエンド。驚きの1分31秒4、まさにレコード決着でした。

人気馬同士の決着になったとはいえ、優勝したワールドエースは今回が初めてのマイル戦。ほとんど2000m以上で競馬をしてきた馬。1年8カ月も屈腱炎で長期休養を余儀なくされていた馬が、ひと叩きしただけで、いきなりこんな芸当ができるものでしょうか。さすがに皐月賞2番人気、ダービー1番人気の勲章を持つ馬です。

とはいえ、現在のサラブレッドの極限に近い時計で走れば、走るほど、競走馬にかかる負担は大きいのです。地球の大地をケタ違いの脚で叩きつけるわけですから、その代償は少なくないと思います。

5歳世代の大将格と言われたワールドエース。長い暗黒の休養から復活して、これからなんとか無事にGI路線を駆け巡って欲しいという思いは競馬ファン共通の願いです。

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