驚きました!1番人気のミッキーアイルがスイスイと逃げて、アッサリと逃げ切っちゃいました。それもミッキーアイルはスタートでモタモタ。それでも、連勝を重ねてきた二の足を利かせて先頭。他の馬はこれを傍観するのか、初めからミッキーアイルが行くだろうという先入観が各騎手の間であったのか、シナリオ通りにミッキーアイルはアッサリと楽な一人旅モードに入ってしまうのです。
私は当初、内の3番枠を引いたダンツキャンサーが、直前のマーガレットSを逃げ切って勝っていることからも、おそらくミッキーの前に出て行くだろうと推察。ミッキーは途中から先頭に立って逃げ込む作戦かな、と見ていたのですが、ミッキーの楽な単騎逃げで考えていたこととは異なるストーリーになってしまいました。
スタートで大きく遅れたアルマエルナト、いつものように出負けしたロサギガンティアが後方。ところが、最高の馬場コンディションで前半が34秒6、半マイルが46秒6といった平均ペースよりもやや遅めの流れ。それゆえ先頭から後方まで一団に近い形で進みます。
私が注目していたサトノルパンが、この遅めの流れに好位5、6番手で行きたがる仕草で武豊騎手がこれを抑えるのに懸命。
逃げるミッキーアイルの2番手にホウライアキコ、3番手のインにダンツキャンサー。サトノルパンがショウナンアチーヴの外6番手。直後にアトムで外からエイシンブルズアイ。その後ろのインにタガノブルグとキングズオブザサン。その外にショウナンワダチ。最後方にアルマエルナトとロサギガンティア。
そういった形で坦々と流れて行きます。4コーナーを回ってミッキーアイルの逃げ足は快調そのもの。手応え十分でホウライアキコ。それに続く形でインコースをピッタリにショウナンアチーヴ、その直後に迫って来たタガノブルグとキングズオブザサンの1枠2頭。サトノルパンも好位置でしたが、直線に入ると内から外に出そうとする馬、一方、外から内にもたれるように他馬が切れ込んできたために何頭かの馬が塞がれる不利。
サトノルパンが致命的でした。直線を好位置で余力十分に回ってきたのですが、内と外から馬群が中央に寄って来たために、手綱を引く場面。そこから何もできなく後方4番手くらいまで後退。仕方なく大外に出して追い出しをかけたときがラスト200mのハロン棒。
まさか最後方にいたロサギガンティアを、逆にゴール前で追いかける展開になるとは、我ながら目を疑いました。サトノルパンはNHKマイルC直前のファルコンSで、今回と同じような展開になりながら、騎乗していた、いぶし銀の小牧騎手はそこをこじ開けるように中央突破。2着にノシ上げたのです。
前半の展開の利、絶好の馬場コンディションでインサイドをピッタリ。優勝したミッキーアイルはいかにも恵まれた展開になりました。2番手外からのホウライアキコを振り切り、厳しい間を突っ込むように鋭く差してきたキングズオブザサン、その外から鋭く迫ったタガノブルグ。さらに大外からグンと肉薄したロサギガンティアと、ゴール前は一同並んでゴールイン。
ミッキーアイルがクビ差だけ後続を振り切って優勝。2着争いはタガノブルグとキングズオブザサン。ゴール前で外から鋭く伸びたロサギガンティアを振り切って2、3着。
牝馬ながらホウライアキコがしぶとく頑張り5着。3番人気のショウナンアチーヴは直線でやや不利も重なって6着。サトノルパンはゴール前200mだけ追って9着。勝ち馬と0秒4差。実にもったいない一戦でした。
優勝したミッキーアイルについて、音無調教師は「ペースは恵まれました。楽な形での逃げでしたからね。最後に苦しがって詰め寄られましたが、あれはミッキーが休み明けだったからでしょう」と解説。
GIレースは実力だけではなかなか実を結びません。やはり、運を持っているのか持ってないのか、この差は今回のNHKマイルCからも、よけいに伝わって来ました。