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人気馬が玉砕した天皇賞・春に悲しき口笛が・・(T_T)♪


 最終レースが終了。人が途絶えた検量室前。場内のテレビから繰り返し流される「天皇賞・春」。勝利者インタビューに満面の笑みで答える若き獅子、松岡騎手の姿が、画面いっぱいに映し出されていました。検量室の横を抜けると、どこからともなく突然、耳に飛び込んで来た口笛に、思わず私も口ずさんでいました。
 ♪丘のホテルの赤い灯も 胸のあかりも消えるころ みなと小雨が降るように ふしも悲しい口笛が・・♪ 美空ひばり若き日の名作「悲しき口笛」です。
 「天皇賞・春」は人気馬が、見事なまでに壊滅。優勝は松岡騎手が騎乗した12番人気のマイネルキッツ。2着がアルナスライン。3着は追い込んだドリームジャーニー。
 1番人気のアサクサキングスが9着に惨敗。2番人気のスクリーンヒーローにいたっては14着と大惨敗。3番人気モンテクリスエスも12着と見せ場なしと、散々な結果。良馬場で人気馬がこうも大惨敗とは、ファンの方もショックを受けたことでしょう。
 そもそも、私はこういうケースもあるだろうと考えていました。というのも、昨年のGI戦線を牽引してきた有馬記念圧勝のダイワスカーレットに、天皇賞・秋優勝のウオッカの女王2頭。それにダービー馬ディープスカイ、菊花賞馬オウケンブルースリが出ていないのです。
 そういった中にあって、昨秋、大活躍。ジャパンC優勝まで駆け上がったスクリーンヒーロー。返す刀で有馬記念に出走。トップクラスの馬を相手に限度いっぱいの競馬。いやそれ以上の激走続き。その疲労は相当だろう、春は大丈夫だろうか、と考えていたら、追い切りの日のテレビ画面に、右の肩を中心に絆創膏がいくつも。やや、これは何かの治療の痕だろう。何故、リポーターや記者は質問しないのだろう、と不思議な感じでしたが、おおよその予測はつきました。恐らく、休養明けの阪神大賞典を使ったあと、肩のあたりがギコチなかったり、右前脚がひどくコズんでいたのかも知れない。きっと阪神大賞典の疲労が出ていたのだろう、と判断。最大の敗因は今でもこれだと思っています。
 アサクサキングスは天皇賞前の京都記念、阪神大賞典を連勝。それも、直前の阪神大賞典は激しいデッドヒート。雨の力の要る馬場コンディションで、3,000mの力走。疲労の度合いも高かったはずです。京都記念、阪神大賞典を連勝した馬で、天皇賞を連勝した馬は、過去10年でグランドスラムを達成したテイエムオペラオーだけ。昨秋の天皇賞、続くジャパンCが8着。有馬記念が14着。GI馬とはいえ危うい存在なのです。
 そういった中で優勝したマイネルキッツ。勝ち星が昨年2月の準OP早春S以来。ゆえにオープン勝ち、初重賞制覇が天皇賞・春だったわけです。日経賞でアルナスラインの2着。松岡騎手の好判断もあったのですが、明らかに体調は上向いていたようです。レースのラスト3ハロンが35秒1。3角で4番手、流れも向きました。同じようなポジションにいたアルナスラインが首差2着。日経賞1、2着が逆転した形です。もし、阪神大賞典組が、大賞典をやめて日経賞に出ていたら、着順はともかく今回の天皇賞はもう少し走れた予感がします。それは上位5頭が阪神大賞典以外からのステップ。はっきりしています。
 私の◎ドリームジャーニーが3着。気合が乗りすぎるくらいでも体調は文句なし。流れがことのほか遅く、池添騎手も早めの位置取りでしたが、そのぶんあと一息。それでも不利な流れで3着。3,200mがベストとはいえず内容的には立派でした。
 4歳馬のヒカルカザブエ、モンテクリスエスは7着と12着。さすがに、GIという壁が大きかったようです。
 一方で、大敗続きのコスモバルク、シルクフェイマスはGIではもう無理。今回も16、17着。天皇賞出走順位が6番目と14番目。今年ダイヤモンドS優勝のモンテクリスエスが19番目。出走順位基準を改める時期にきているようです。