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バケツをひっくり返しちゃったスコール的大雨に、ああ、一年の思いが・・(>_<)


 それは、収録を撮り終えた時でした。ポツンと大粒の雨が。
「お、来たな!」と、スタッフのひとりが空を見上げながら呟いたのです。それからでした。ものの数分でシャーと大きな雨粒が落ちてきたのでした。
 この日は、競馬の祭典「日本ダービー」。私はBSフジの競馬中継に出演。本番は14時から16時までの2時間バージョン。番組の頭のところを、事前収録しましょう、ということで、東京競馬場の正面入り口を入ったところから撮影。まだそのときは雨がなく、いい感じだったのですが、OK! の一声で、戻ろうとした矢先から、雨の襲来が始まったのです。結局、この雨で晴れていたときの収録は使えず、ぶっつけ本番になったのはいいのですが、予想外の激しい雨。まさに、それはスコール的大雨。みるみる内にダートコースは雨で光だし、水が浮く浅瀬のような状態。芝やや重からスタートした芝コースは重馬場に変わり、そして不良馬場に変身。
 木曜日からの雨で、馬場状態は良くならないと考えていた私も、予想以上の雨の襲来に困惑していました。
 そんな中で、ダービーのファンファーレ。何年見ていてもこのときは胸がドキドキするものです。逃げるのは恐らく武豊リーチザクラウンだろう、と予測していたのですが、真ん中から飛び出して行ったのがジョーカプチーノ。スタンド前の歓声に応えるようにスピードを、落とさずグングンと行きます。大きく離れた2番手にリーチザクラウン。これはこれで単騎の形。そのあとに内で楽について行くロジユニヴァース。ゴールデンチケット、マッハヴェロシティ、アントニオバローズが好位を追走。アプレザンブレーヴとトライアンマーチが中団。後方にはアンライバルドとセイウンワンダー。
 1,000m通過が59秒9。半分の1,200m通過が1分12秒3と、ひどい不良馬場とは思えないほどのハイペース。もう4角でバタバタ状態のジョーカプチーノを飲み込んで先頭に踊り出たのがリーチザクラウン。内をすくってロジユニヴァースが接近。そしてアントニオバローズ。直線中程からロジユニヴァースが先頭に立つと、後続との差をグングン広げて4馬身差の独走でゴール。してやったりの横山典騎手がガッツポーズ。
粘りこんだリーチザクラウンが2着。好位置からしぶとく追い上げたアントニオバローズがナカヤマフェスタ、アプレザンレーヴの追い込みを退けて3着。
 注目の1番人気アンライバルド、セイウンワンダーは空しく12、13着。後方から末脚を生かす馬にとっては、あまりにも過酷な厳しい状況。実際、4角で外を回って鋭く伸びてくる馬はこの馬場状態では皆無。外を回り後方から追い込んだ馬たちは、4着と大健闘のナカヤマフェスタ以外、いずれもラスト3ハロンが40秒台という異常さ。それゆえ直線はドスンドスンの馬力の我慢比べ状態。
 ある人に言わせると、これほど馬場状況が悪化すると、先行して経済コースを走っていたほうが有利。馬場の内側は踏み固まって、脚を取られるコース外よりいいとのこと。アンライバルドやセイウンワンダーの撃沈をみると、なるほどと思ってしまいます。横山典騎手は、インの経済コースをぴったりと3番手で追走。さすがです。
 それにしても、不良馬場のダービーは1969年以来とのこと。ダイシンボルガードとミノルで1、2着。ファンの多かった良血、尾形きゅう舎の四天王、ミノルは不安のあった道悪の悪条件を克服。見事な2着と健闘しました。優勝したダイシンボルガードは短距離系イーグル産駒。6番人気での優勝によほど嬉しかったのか担当の石田きゅう務員が、レース中にもかかわらず、コースに飛び出し万歳ポーズ。
 ちなみに、このときの的中枠番1=6は、私、いわゆる代用で的中。雨の中で馬券を握り締めていたことを覚えています。
 ん!? 1=6! 今年のダービーも1=6。その前の不良馬場のダービーは、1965年、キーストンとダイコーターのライ0906031_2バル決着。枠番は、おお、やはり1=6。そうかー、不良馬場は1=6の枠番を買えばいいんだ。と、納得。
 スコール的大雨がもたらした第76回日本ダービーの顛末。重い印をつけた馬のあまりの走らなさに、正直、かなりショックを受けています。1年がかりの予想だったわけですから・・。
 ただ、BSフジでご一緒した新アシスタントの西島まどかさんの笑顔に、少しは救われた思いです。