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ウオッカは優れた名マイラーなのか、それとも・・!?


 安田記念は、やはりというべきか、当然というべきか、1・8倍の断然の支持を集めたウオッカが優勝。わずかの差でライバル視されたディープスカイが2着。直線で苦しい位置に入り、前が開かない状態だったものの一瞬のスキをついて、ゴール前で抜け出したディープスカイを差し切った勝負強さ、そして底知れない地力の高さ。まさにウオッカには脱帽でした。
 良馬場発表とはいえ、各ジョッキーが帽子に前の馬が跳ね上げた泥が飛び散っている状態。明らかに馬場状態判定のミス。やや重馬場が妥当な判断でしょう。そういう馬場状態で、主導権を叩いて叩いてやっと取ったコンゴウリキシオーが、前半33秒4で、半マイル通過が45秒3。猛烈なハイペースです。ウオッカは中団の内で、いつでも好位に上がれる位置。ライバルのディープスカイも、ウオッカを意識してか中団をキープ。
 ところが、ディープスカイはこの日、馬体重が524K。休養明けだった前走の大阪杯よりも14K増。ジャパンCよりも6K増程度だったとはいえ、やはり、どこかゆとりがある馬体造りに映ったのです。このあと、宝塚記念があることから、ああ、そういう仕上げだったのか。と納得。マイル戦も1年ぶりだし、まあ、ここはウオッカに譲ろう、という気配に感じられたのです。
 戦前、私はウオッカが中2週、自己ベストの1分32秒4の持ちタイムで力走した後でもあり、負けるかも知れない、との思いがありました。
 実際、栗東トレセンでウオッカの馬体を、逐一、見続けていた細江純子さんも、「どうもウオッカの筋肉の付き方が、ヴィクトリアマイルのときに比べて淋しく見えるし、調教でも脚が流れる感じ。心配です」と、不安な表情。
 と、すると中2週のローテーションが、重くのしかかってくるかも知れない。私は想定した事態に、なるほど、と膝を打ったのでした。
 しかし、結果はウオッカの完勝。雨で少し渋った馬場も問題なかったのでした。これでマイル戦が7勝目。9戦7勝2着2回なのです。昨年の安田記念を含めマイルのGIは3勝目。
 もし、万一、ウオッカが秋にGIを手にすることが出来なかったら、年度代表馬のスプリンター部門の金メダリストになるのでしょうか?! まさか、ですが・・。
 また、宝塚記念は昨年2月の京都記念(6着)以来の右回りになるのですが、それとも回避して秋の天皇賞に備えるのでしょうか。鬼門とされる右回り、克服してこそ年度代表馬、とも思えるのです。
 今回の安田記念は、本格化と見たホッカイカンティに期待したのですが、どん尻18着でした。「3、4コーナーの馬場の一番悪いところで、トモを落としてバランスを崩しました」と、石橋脩騎手。それに直線スマイルジャックが内に切れ込んで、ラチ沿いを通ったホッカイカンティが大きな不利。残念です。東京マイル戦、休養明けで馬体が20K増の状態で1分32秒7を計時した馬。また私は追いかけます。執拗に・・。