今年のクラシック候補だった評判馬サトノアラジンが、小倉、1000万の「九州スポーツ杯」を独壇場の強さで快走。
距離が2000mで稍重の馬場コンディション。この日は中京の500万をワンサイド勝ちという勢いも助長して1.6倍と言う断然の人気に支持。
サトノアラジンンと言えば、昨年暮れのラジオNIKKEI賞でワンアンドオンリー相手に1番人気に支持されて3着。年明け初戦の共同通信杯でもイスラボニータを相手に2番人気で3着。あと一歩及ばず春のクラシック戦線には間に合いませんでしたが、潜在能力の高さは文句なしにトップクラス。
今回の九州スポーツ杯は逃げたバッドボーイの3番手を少しかかり気味に追走。相手を見下ろした正攻法で、4角では手綱を持ったまま先頭のバッドボーイに並びかけて、そこから二段加速。余力を残したまま2着バッドボーイに3馬身差の独演会。
稍重の馬場で2000m=1分58秒9。仮にビッシリと追っていれば1分57秒台も望めたレベルの高さ。
クラシックの第三の馬が、ようやく胸を張って菊花賞戦線に乗り込んで行きます。本当に楽しみな逸材です。
一方、新潟の3歳ダート重賞「レパードS」をゲットしたのはアジアエクスプレスでした。昨年の秋の東京で古馬顔負けの圧倒的な強さを見せてダートで連勝。そして初芝のGI朝日杯FSで快勝。一躍、クラシック候補として大きく乗り出したのですが、スプリングSで2着、皐月賞で6着と、やや勝ち味の遅さを露呈。そこで日本ダービーを断念。東京ダート1600mのユニコーンに駒を進めたのですが、ここで圧倒的な人気に支持されたものの内で揉まれる厳しい展開が応えたようで12着と大敗。
これが不本意な結果だと言うことはわかっていた鞍上の戸崎騎手は、胸に期するものがあったようです。
それゆえ、逃げたクライスマイルを追うように終始2、3番手の積極策でアジアエクスプレスに走る気を起こさせます。
「僕が乗ってからいつも高い支持を受けながら期待に応えられずにきた。オーナーや手塚調教師、スタッフ、そして応援して頂いたファンの方に申し訳がない」戸崎騎手にとっては負けるわけにはいかないレースでした。
外目でいつでも先頭に立つ位置取り。直線ラスト200mで追い出しをかけると、アジアエクスプレスはそれに反応して、一気に突き抜けて行きます。ラストは抑える余裕で2着クライスマイルに3馬身半差の横綱相撲。ユニコーンSを制したレッドアルヴィスが4着に敗退。アジアエクスプレスにとってはユニコーンSの仇を返したということでしょうか。
インタビューに答える戸崎圭太騎手には、ほっと安堵した表情が印象的でした。秋の進路は、未定ですが一皮むけたアジアエクスプレスを楽しみにしたいと思います。