迫って来たGI「スプリンターズS」の前哨戦として注目された「セントウルS」は、1番人気に推された昨年の優勝馬ハクサンムーン。手堅いレース運びで堅実さが売り物の2番人気エピセアローム。CBC賞を制し、ここ一本に備えた3番人気トーホウアマポーラ。北九州記念を勝ち、意気上がるリトルゲルダが4番人気。そして連勝中のマヤノリュウジンは5番人気。これらの有力馬で行われました。
韋駄天アンバルブライベンを筆頭にエーシントップ、ハクサンムーン、フォーエバーマーク、メイショウイザヨイと、できれば主導権を取りたい快速揃い。
これは前半3ハロンが33秒台を切って32秒台になるかも知れないと予測。いくら開幕週でも逃げ先行タイプには厳しいだろうと推察し、バクシンテイオー、マヤノリュウジンの直線一気の破壊力に期待したのです。
そして、阪神で前半が32秒台になると、結果的に開幕週でもついて行けなくエーシントップのような馬もいるようで、騎乗した武幸四郎騎手もレースではステッキを入れどうしで急追。
先ず飛び出したのが、お約束通りアンバルブライベン。強力なダッシュ力で飛び出して行きます。外からサーッとハクサンムーンが2番手に上がりました。メイショウイザヨイの外に激しく手が動いてエーシントップ。その後ろにフォーエバーマーク、真後ろにダッシャーゴーゴー。内には1番枠を引いたリトルゲルダ。エピセアロームがその直後で、またその後ろがトーホウアマポーラ。
後方にバクシンテイオー、スギノエンデバーで離れた最後方を置かれ気味にマヤノリュウジン。
注目の前半の3ハロンが32秒9。さすがに開幕週です。これに正攻法で進めるハクサンムーン。休養明けからか少しかかり気味の様子。
4コーナーをまわってアンバルブライベンに馬体を併せに動くと、好位置のインからリトルゲルダが進出。その後ろからエピセアロームも進撃開始。メイショウイザヨイがしぶとく食い下がっています。エーシントップは激しくステッキが飛びます。
後方から外に出したバクシンテイオー。最後方から大外をマヤノリュウジンが前を追います。
ハクサンムーンが先頭に立ちかけました。すかさず直後に進出したリトルゲルダが馬体を外に併せようとしています。ハクサンムーンも負けまいと二枚腰で応戦。内にハクサン、外にリトルゲルダ。激しい叩き合い。
それでも追う者と逃げる者の違いからか、追うリトルゲルダが先頭に立ち、そのままゴールへ駆け込みました。内からエピセアローム、その内から直線勝負のスギノエンデバーが急追。
外からはバクシンテイオーが接近しましたが、それを上回る瞬発力でマヤノリュウジンが強襲して来ました。
とはいえ、開幕週の極上コンディションでは経済コースの有利不利は歴然。とくに大外をまわるハメになったマヤノリュウジンは明らかに5メートルくらいのロス。
優勝はリトルゲルダ。2着がハクサンムーンで、3着がエピセアローム。マヤノリュウジンは5着でした。
時計が1分7秒4という高速決着。予測されたタイムでした。とはいえ、本番は新潟連続3開催の最終日で内がボコボコした馬場状態。しかも左回り。セントウルSの結果が直結するとは思えません。
短距離戦の頂上決戦は、また新たな展開を迎えることになりそうです。